20代の転職を成功させるには?準備から選考対策まで徹底解説

20代の転職を成功させるには?準備から選考対策まで徹底解説

転職市場において20代は需要が高く、柔軟性や成長性を評価されやすいという優位性があります。
しかし、その特性を活かして転職を成功させるためには、しっかりとした準備と選考対策が欠かせません。

この記事では、20代の転職を成功に導くための具体的なステップとポイントを解説していきます。

20代転職の市場状況と魅力

キャリアの基盤を形成する20代は、転職によって将来の可能性を広げられる貴重な時期です。
現在の転職市場では、20代は特に優位な立場にあり、適切な準備と戦略的なアプローチによって、キャリアアップや年収アップの機会を掴むことができます。

ここからは、20代の転職市場の特徴と、若さを活かした転職活動のメリットについて解説していきます。

20代は転職市場で有利な立場にある

人材市場では、少子化の影響で求人の数が多い「売り手市場」が続いており、令和6年の有効求人倍率(季節調整値)は1.25倍でした。

なかでも20代は、どの時期でも転職市場で需要が高い年代です。
柔軟性や成長性を評価されやすく、ポテンシャル採用という観点で歓迎される傾向にあります。
企業側も若手人材の獲得に積極的であり、未経験職種へのチャレンジも他の年代より受け入れられやすい状況です。

参考:職業安定業務月報(厚生労働省)

年収アップの可能性も高い

令和6年上半期の転職による賃金変動のデータを見ると、20代で転職した人の約半数は年収アップを果たしています。
転職によって賃金が増加した人は、20代前半の転職者で53.2%、20代後半で46.0%に及びました。1割以上の増加をした人だけでも、20代前半の転職者で41.2%、20代後半で38.4%となっています。

もっとも、転職の目的は年収アップだけとは限りません。
「未経験業界へのチャレンジ」など年収以外の要素を重視する場合もあるでしょう。キャリアパスや働き方、職場環境など総合的な条件を考慮して判断することが重要です。

参考:令和6年上半期雇用動向調査結果の概況(厚生労働省)

転職活動の開始前にやるべきこと

20代での転職は「今回が初めて」といったケースも多く、何から始めればいいのか分からないという人も珍しくないでしょう。

実際に転職先を探し始める前にやっておきたいのは、活動のスケジュール作りや自己分析です。
ほかには、退職のタイミングも意識しなければなりません。

転職活動のスケジュールを立てる

転職活動を効率的に進めるためには、まずゴールを設定し、そこから逆算してスケジュールを立てることが重要です。
「いつまでに転職を成功させたいか」という期限を決めることで、計画的に準備や活動を進められます。

■転職活動のスケジュールの例

  • 自己分析(1週間~2週間)
  • 求人情報のリサーチ(2週間~4週間)
  • 応募書類の作成(1週間~2週間)
  • 面接準備と選考期間(1か月~2か月)
  • 内定後の調整(2週間~1か月)

退職と転職活動のタイミングを見極める

転職活動を行う際、現職を退職してから始めるか、在職中に並行して行うかという選択肢があります。
それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自分に合った方法を選びましょう。

■退職してから活動する場合
転職活動に集中できる一方で、貯金や失業給付に頼らざるを得ない無収入の期間が発生する点に要注意です。
活動のうえでも、職歴に穴が開いてしまい、応募先企業に悪印象を与えてしまう恐れがあります。

■在職中に活動する場合
定期収入を得ながら転職活動できる点が安心です。キャリアに空白期間が生じないことで、応募先企業に与える印象の面でも無難です。

一方で、働きながらの活動には時間や体力面での制約が大きく、内定が出るまで時間がかかるなどの失敗の恐れがあります。

自己分析で転職の軸を明確にする

多くの20代が「とりあえず転職したい」という漠然とした思いから活動を始めますが、そのまま進めると途中で方向性を見失ったり、転職後にミスマッチを感じたりする可能性が高まります。
そこでやっておきたいのが、自分に最適かつ意欲的になれるキャリアを見定めるための「自己分析」です。

自己分析の進め方
自己分析では「自分はどんな性格か」などといった表面的な分析で終わらせず、深く掘り下げることが重要です。具体的には、下記の手順で進めましょう。

1. 過去の経験を時系列に洗い出す
学生時代の活動や社会人経験など、これまでの経験を整理します。
単に職歴を並べるだけでなく、部活動やアルバイト、プライベートでの活動も含めて幅広く考えると、思わぬ強みが見つかることがあります。

Step2. 各経験を掘り下げる
成功体験や失敗体験、そこから得た学びや身についたスキルを分析します。
「なぜそれに取り組んだのか」「どのような困難があったか」「どう乗り越えたか」など、具体的なエピソードを思い出すことが大切です。

Step3. やりたいことやビジネススキルを整理する
分析結果から、自分の強みや志向性を明確にします。
得意なこと、苦手なこと、やりがいを感じる瞬間などを整理することで、あなたの適性が見えてきます。

転職の軸を決める
自己分析の結果をもとに「なぜ転職したいのか」「どのような環境で働きたいのか」という転職の軸を決めます。
転職の軸が定まることで、企業選びの基準が明確になり、面接での説得力のある志望動機も構築できます。決める際は、下記のポイントを考慮すると良いでしょう。

■仕事内容や業務領域の希望
どんな仕事に関わりたいか、どんな課題解決に貢献したいか

■働き方や職場環境の希望
チーム体制、コミュニケーションスタイル、勤務時間の柔軟性など

■キャリアアップや成長の方向性
将来どのようなキャリアを築きたいか、どのようなスキルを身につけたいか

■給与や福利厚生などの待遇面での希望
自分が理想とするライフスタイルを維持するために必要な条件は何か

選考を突破するための対策

転職市場で有利とされる20代であっても、選考を突破するには適切な準備と対策が欠かせません。
書類選考から面接までの各段階で評価のポイントは異なりますが、どの段階においても自分の強みや適性を相手に納得させる力が求められます。

ここでは、書類作成のコツから面接テクニックまで、選考突破に必要な具体的な対策を解説します。

履歴書・職務経歴書の書き方

書類選考は転職活動における最初の関門です。
履歴書と職務経歴書の作成では、自己分析の結果を活かし、応募先企業が求める条件に合わせた内容に仕上げる必要があります。

20代の場合、社会人経験が限られていても、自分の強みや成長性をしっかりとアピールできれば問題ありません。

■履歴書の自己PR
自己分析の結果を活かして、志望企業に合ったアピール内容を作成しましょう。
実績をアピールする場合は具体的な数字を使い、経験や長所をアピールする場合は具体的なエピソードを交えると効果的です。

■志望動機
志望動機は企業が重視する項目です。
応募企業の特徴や独自の取り組みについて言及し、自分の経験や志向性との関連性を具体的に説明しましょう。また、入社後のビジョンも示すと説得力が増します。

■職務経歴書
職務経歴書では、自分の職歴やアピールしたいポイントに合わせたフォーマットを選び、最もアピールしたい内容に絞ってわかりやすくまとめることが大切です。
実績や成果を示す具体的な数字を盛り込むと、説得力が増します。

面接対策

書類選考を通過した後の最大の山場は面接です。面接では、書類で伝えきれなかった人間性や熱意、コミュニケーション能力などが評価されます。20代の場合、面接官はあなたの将来性や学習意欲、人柄などに注目する傾向があります。第一印象から話す内容まで、あらゆる面で入念に準備して臨みましょう。

■服装・身だしなみ
面接では第一印象が大切です。清潔感のあるスーツを着用し、髪型や靴、カバンなども整えましょう。
女性の場合は、ナチュラルメイクや控えめなアクセサリーを心がけると良いでしょう。

■面接マナー
面接会場には時間に余裕を持って到着し、受付での挨拶から退室までマナーに注意しましょう。
面接中は背筋を伸ばし、話をしている面接官の目を見て話を聞くことを心がけます。

■面接で話すべき内容
20代前半はポテンシャルや熱意、成長意欲をアピールし、20代後半は実績や成果、スキルを具体的に示すことが重要です。
自分の強みを企業にどう活かせるかを具体的に説明できるよう準備しましょう。

内定後・前の職場の退職時の注意点

転職活動の努力が実を結んで内定が出たときも、今後の手続きに向けて気を引き締めましょう。
内定先とは条件の確認や交渉、現職の勤務先とは円満に辞めるための対応を進めなくてはなりません。

内定をもらってからの流れ

内定をもらったら、すぐにOKするのではなく、まずは細かい雇用条件を文書で確認するようにしましょう。
内定通知が口頭やメールのみの場合は、正式な内定通知書や雇用契約書の送付を依頼しなければなりません。
書面では、給与や勤務時間、休日、福利厚生、配属先などにつき、求人情報や面接で聞いた内容と相違がないかチェックします。

内定を受諾した後は入社日の調整を行いますが、現職の退職準備期間も考慮する必要があります。
引き継ぎなどを含めると、退職の意思表示から実際の退職までに1か月から3か月程度かかる場合が多いことを念頭に置いておきましょう。

円満退職のためのポイント

退職の希望は直属の上司に伝え、あいさつや引き継ぎなど退職までにやるべきことを計画的に進めましょう。

退職したい旨を伝えるときは、プライベートな場所で、上司の時間が取れるタイミングを選ぶことが大切です。
口頭で伝えたあとは、正式な退職届を提出するという流れが一般的です。

なお、退職理由や転職先については詳しく説明する必要はありません。これまでお世話になったことへの感謝の気持ちを伝えることが大切です。
20代ではキャリアが長いため、業界内での評判や人脈が後々重要になることも考慮し、誠実な対応を心がけましょう。

まとめ

20代の転職は、若さというアドバンテージを活かせる絶好の機会ですが、準備と選考対策は油断せずに行いたいところです。

活動を始めるときは、転職活動のスケジュール作り、自己分析、退職と転職活動のタイミングの見極めをしっかりと行いましょう。
内定後も油断せず、条件確認や現職での円満退職をしっかりと進めていくべきです。

若さという武器を最大限に生かした転職活動には、自分の理想に合った求人情報を見つけられるサイトやツールも必要です。情報を集め、キャリアチェンジを成功させましょう。

文:JOB編集部

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