離職票はいつもらえる?発行までの流れやもらえる時期、書き方を解説

勤務先から送付してもらう「離職票」は、主に退職後の失業給付(失業手当)を受給するために必要です。
問題は、ハローワークでの処理を経て送付される公的書類であることなどから、受け取りまで一定の期間がかかる点です。
この記事では、離職票が発行されるまでの流れや期間、届かない場合の対処方法について解説します。
離職票とは
離職票とは、元勤務先および退職者の情報、退職日、離職理由、賃金の支払い状況などが記載された書類です。
正式名称は「雇用保険被保険者離職票」といい、2枚セットになっています。
退職者に交付されるときは、あらかじめ元勤務先が記入した上でハローワークに提出し、必要な処理が行われたのちに退職者の手元に届きます。
退職後に離職票が必要となるのは、失業給付(失業保険)の受給を希望する場合や、60歳以上で高年齢雇用継続給付の申請を行う場合です。
なお、すぐに転職する場合など必要ないときは、元勤務先に「離職票は不要」と伝えることで、発行手続きを省略することができます。
離職票はいつもらえる?発行時期と届くまでの流れ
離職票の発行には法定期限があり、会社は適切な時期に手続きを行う必要があります。
発行の遅れは退職者の失業給付受給に影響を与える可能性があるため、発行時期と流れを把握しておくことが重要です。
通常の発行時期
離職票が退職者の手元に届くまでの期間は、早くても退職日から14日程度です。元勤務先側の提出期限は法律で定められており、これが遅れるのは稀です。
一方で、ハローワークの処理以降については、処理状況や郵送事情によって期間が左右されます。
- 会社の提出期限:退職日の翌々日から10日以内
- ハローワークでの処理:通常1〜2営業日
- 退職者への送付:2〜3日程度
発行から受け取りまでの具体的な流れ
離職票発行の発行手続きは、そのほとんどが元勤務先とハローワークで処理されます。退職者が行うのは、離職票をもらう意思があることを会社に伝えること、会社が作成した離職証明書の確認、離職票の住所確認の3点だけです。
具体的には、次の4ステップを辿ります。
Step1:離職票の請求
元勤務先に対しては、退職者から「離職票が欲しい」と明確に伝える必要があります。
伝え漏れると届かないことがあるため、注意しましょう。
合わせて、転居している場合は、離職票の郵送先となる新しい住所を伝えておく必要があります。
Step2:元勤務先での手続き
元勤務先は離職証明書を作成し、退職者に内容の確認を求めに来ます。
確認できた場合は署名を行い、元勤務先に返送してハローワークへ提出してもらいます。
Step3:ハローワークでの処理・退職者への送付
元勤務先が提出した離職証明書は、ハローワークで審査されます。
記載されている内容に問題なければ、会社に離職票が交付されます。
交付された離職票は、速やかに退職者に送付しなければなりません。
離職票が届かない場合の対処法
離職票をもらう主な理由は失業給付の受給であり、手元にない状況が続くと生活が脅かされかねません。
万一「なかなか届かない」ということがあれば、速やかに対処する必要があります。
ここでは、離職票が未着の場合の確認手順と、万が一紛失した場合の再発行方法を解説します。
届かない場合の確認事項
離職票が期限内に届かない場合は、まず元勤務先に確認を取りましょう。元勤務先側で手続きが進んでいることが確認できた場合は、ハローワークで確認を取ります。
両方で滞りなく離職票発行が進んでいれば、届け出た住所が間違ってないかチェックしましょう。
■元勤務先への確認
まずは会社に対して手続きの進捗状況を確認します。
すでに発送済みの場合は、いつ・どのような方法で送付されたのかを確認するとともに、送付書類に不備がなかったかも併せて確認します。
こうした確認により、離職票がどの段階で止まっているのかを特定できます。
■ハローワークでの確認
ハローワークでは、会社から必要書類が提出されているかどうかの確認を行います。
書類が提出済みの場合は、現在の処理状況と発行予定日を確認することで、離職票を受け取れる時期の見通しを立てることができます。
■住所関連の確認
退職時に会社へ届け出た住所に誤りがないか改めて確認します。
また、転居している場合は、住所変更の手続きが適切に行われているか、郵便局での転送手続きは完了しているかなど、確実に離職票を受け取れる状態になっているかを確認します。
なお、離職日の翌日から12日以上経過している場合は、失業給付について仮受付制度を利用できます。
マイナンバーカードや退職証明書など、退職日が確認できる書類があれば、離職票がなくてもいったん給付申請を受け付けてくれるものとする制度です。
離職票の再発行方法
離職票を紛失した場合は、ハローワークの窓口での申請、電子申請、郵送申請のいずれかの方法で申請できます。それぞれの手続きのポイントは下記のとおりです。■ハローワーク窓口での申請
- 再交付申請書+本人確認書類が必要
- その場ですぐ再発行してもらえる
- 前職の会社を管轄するハローワークが推奨
■電子申請(e-Gov)
- 電子署名またはGビズIDが必要
- そのほかにも電子証明書が必要になる
- 24時間365日いつでも申請できる
■郵送での申請
- 申請書、本人確認書類の写し、返信用封筒が必要
- 離職票到着まで、処理に1週間程度+郵送にかかる日数
- 申請書類の郵送は特定記録郵便など追跡可能な方法がベター
いずれの方法でも、離職票の再発行自体は無料です。スムーズに再発行してもらえるよう、前職の会社を管轄するハローワークを利用することをおすすめします。
まとめ
離職票が届くのは退職後10日から14日程度であり、12日を過ぎると失業給付の仮受付制度を利用できます。
いずれにしてもハローワークでの諸手続で必要となるため、届かない場合は元勤務先から順に確認してみましょう。
前提として、元勤務先に「離職票をもらいたい、いつもらえるのか」と請求・確認を行っておくことが大切です。