履歴書の「免許・資格欄」の書き方|評価につながるコツとは
履歴書には複数の記載項目がありますが、中でも「免許・資格欄」は、何らかの免許・資格を保有している人にとって大きなアピールポイントになります。
正式名称で、分かりやすく記載することにより、採用担当者への印象を良いものにすることが期待できます。
また、書き方を工夫することで、現在保有していない免許・資格の存在を自分の長所としてアピールすることも可能です。
この記事では、履歴書の免許・資格欄の書き方について、基本的な書き方のルールや評価につながるコツなどを解説します。
履歴書における「免許・資格欄」の書き方の基本ルール
履歴書の免許・資格欄に、自分が取得したものを記載する際は、次のルールに従って記載しましょう。
「正式名称」を書く
世の中には様々な免許・資格がありますが、履歴書に自分が取得した資格を記載する際は、それらを発行している組織・団体の正式名称を書きましょう。
例えば「日商簿記○級」といった名称は、略称であって正式名称ではありません。
正しくは以下のように記載します。
年 | 月 | 免許・資格 |
---|---|---|
2020 | 12 | 日本商工会議所 簿記検定○級 合格 |
各種資格・免許に関して、発行元・試験開催者などが正しい表記をWebサイト等で公表しています。
うろ覚えで正式ではない名称を記載してしまい、思わぬところで評価を下げないように心がけましょう。
暦の書き方は時系列で、他の欄と統一する
暦(年月)を記載する際は、原則として時系列で記載します。
また、取得年を記載する際は、学歴・職歴欄などに記載している暦の表記方法に合わせます。
和暦を使用しているなら漢字で、西暦を使用しているならアラビア数字で記載しましょう。
保有するすべての免許・資格を書き終えたら「以上」と記載
複数の免許・資格を保有している場合は、一通り記載した後、その次の行の右端に「以上」と記載するのを忘れないようにしましょう。
年 | 月 | 免許・資格 |
---|---|---|
2011 | 8 | 普通自動車第一種免許 取得 |
2017 | 12 | 日本商工会議所 簿記検定2級 合格 |
以上 |
免許・資格を保有していない場合はどうする?
運転免許も含め、資格や免許を全く保有していない場合でも、空欄のまま提出することは避けましょう。
必ず「特になし」と記載して、記入漏れと勘違いさせないよう配慮が必要です。
もちろん、「特になし」と記載した次の行の右端には、「以上」と記載するようにします。
年 | 月 | 免許・資格 |
---|---|---|
特になし | ||
以上 |
履歴書における「免許・資格欄」の書き方のコツ
応募先に対して好印象を与えるためには、基本的な書き方を踏まえた上で、採用担当者に興味を持ってもらうための“コツ”を押さえて免許・資格欄をまとめることが大切です。
応募先の事情にマッチする免許・資格を優先して記載する
複数の免許・資格を取得している場合は、ただそれを羅列するのではなく、応募先の事業内容や仕事内容、求められている免許・資格を優先して記載しましょう。
特に、取得してから現在まで職場で活かせている資格がある場合は、省略せず記載しましょう。
また、TOEICのように点数を記載するタイプの資格の場合は、具体的な点数を記載するとともに、可能な限り最近のデータを記載します。
採用担当者としては「現在(応募時)の応募者の実力」が知りたいはずですから、腕試しの意味でも再度トライすることをおすすめします。
「勉強中」の記載は仕事に関連する範囲で
まだ取得していないものの、応募職種に関連する免許・資格の取得に向けて勉強をしている状況であったり、受験予定であったりする場合は、合格に向けて「勉強中」であることを記載いると良いでしょう。
例えば、現時点で日商簿記2級を取得していて、今年1級にチャレンジするような場合は、採用担当者としても「次のステップを目指しているんだな」と理解しやすいでしょう。
こちらも、応募先の事情を考慮して記載するのが望ましいため、例えば法務関連に転職する予定でもないのに「行政書士試験の合格に向けて勉強中」などと記載しても、採用担当者に与える影響は限定的と考えられます。
運転免許を取得している場合は「先に・まとめて」記載する
もし、運転免許を取得している場合は、他の免許・資格よりも先に、取得順にまとめて記載すると、採用担当者などが履歴書を見た際に分かりやすいでしょう。
一口に運転免許といっても、それが普通自動車免許なのか、中型自動車免許なのか、または大型自動車免許も取得しているのかなど、色々なパターンが考えられます。
そこで、まずは「運転免許の取得情報」をまとめて記載し、それからその他の資格等を記載します。
また、一概にはいえませんが、職種によっては普通自動車免許以上の取得がなければ勤務が難しいケースもあるため、採用担当者が優先的に運転免許を確認することがあります。
そのようなケースにおいて、免許・資格欄の最初に運転免許がまとめて記載されていると、採用担当者の確認の負担を軽減できるはずです。
履歴書の免許・資格欄の書き方Q&A
ここまでお伝えしてきた内容以外にも、資格を記載しようとして「こんなときはどうするんだろう?」という疑問が生まれるケースはあるはずです。
そこで、多くの求職者が気になる点をQ&A形式でご紹介します。
Q.運転免許は持っているけど、運転はほとんどしない場合、免許・資格欄に記載してもいい?
A.車を頻繁に運転する仕事に転職するわけではないなら、運転免許の取得について記載してもよいでしょう。
運転スキルについて面接官から質問を受けた際は、中途半端にせずに「ペーパードライバー」であることを伝えた方が賢明です。
Q.取得難易度の低い資格は記載することでマイナス評価につながる?
A.基本的に、資格には「書いてはいけない」ものはないため、取得難易度の有無を問わず、その資格が応募先の職務に役立つと判断できそうなものであれば、記載して差し支えありません。
しかし、あまりにも低い点数などを堂々と書くのは、かえって「自分に能力・適性がない」ことを示す一因となるため、あえて書く必要はないと判断できるでしょう。
Q.運転免許が「AT限定」の場合はそれも記載すべき?
A.AT限定の運転免許は、オートマチック車しか運転できないタイプの免許になるため、必ずその旨を履歴書に記載しましょう。
社用車の中にマニュアル車があったとしても、AT限定の免許では運転できないため、配置先によっては業務に支障をきたすおそれがあります。
まとめ
履歴書の免許・資格欄は、正式名称で時系列に記載し、最後に「以上」を付けてまとめるのが基本です。
保有資格がない場合であっても、必ず「特になし」と記入し、記載漏れとされないよう配慮しましょう。
複数の資格を保有している場合は、応募職種に関連する資格を優先的に記載し、勉強中の資格も関連性があれば記載しておくとよいでしょう。
ただし、その資格が「応募先でどう役立てられるのか」を考えた上で記載しなければ、逆効果になるおそれもあるため注意が必要です。
何らかの資格・免許を保有していたり、現在勉強中である場合は、十分に活かせるようにしたいですね。
2024年12月10日公開