転職初日の挨拶|事前準備・まとめ方・例文・注意点など解説
何事も「最初が肝心」と言われますが、転職初日の挨拶に関しても同じです。
人間心理には「初頭効果」というものがあり、最初に提示された情報(印象)に強く影響を受けやすい傾向にあります。
つまり、新しい職場での第一印象を良いものにするためには、初日の挨拶が重要なポイントになるのです。
この記事では、転職初日の挨拶を成功させるための事前準備やマナー、例文、注意点などを解説します。
転職初日の挨拶に臨む際の事前準備
初日の挨拶で何を話すのか考えるのは、もちろん大切なことではありますが、その前に「事前準備」をしておくと安心です。
以下、転職初日の挨拶に臨むにあたり、やるべきことをいくつかご紹介します。
転職初日までに何をすべきか把握しておく
いくら挨拶の内容が素晴らしいものでも、初日に遅刻したり、準備が不十分だったりすると、それだけで印象が良くないものになってしまいます。
新しい職場で自分の挨拶に耳を傾けてもらうためにも、転職初日までに、最低限次の情報は把握しておきましょう。
出社時間 |
●採用担当者などから、転職初日に「自分が出社しなければならない時間」をあらかじめ確認しておくこと ●どの職場でも「始業時間=出社時間」とは限らず、職場によっては始業の30~1時間前が実質的な出社時間となっているケースもあるため、自己判断で出社時間を決めることのないよう注意 ●遅刻はご法度ですが、逆に早すぎるのもNG。受け入れ準備をしていたり、担当者が別の仕事をしている可能性もあるため。 |
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服装 |
●当日の服装は「清潔感」を意識し、クールビズ・ウォームビズなど何らかのルールが設けられている場合は、それに従ってコーディネートを考えること ●自分のコーディネートが社内の雰囲気にマッチするかどうか不安がある人は、事前に採用担当者に確認しておく |
自社サイトに記載されていること |
●自力でリサーチできる範囲で構わないので、会社の組織図、支社や営業所の場所、主な取扱商品・サービスの種類などについてリサーチしておく ●リサーチした内容をもとに、転職先での挨拶に盛り込めそうな内容がないかチェックする |
「挨拶までの時間」を好印象にする意識を持つ
新たな職場で挨拶をする際は、例えば控室のような場所で朝礼まで待つケースもありますが、多くの場合、自分の席で待機することになるでしょう。
そして、他の社員は「どうやら今日から新入社員が来るらしい」ことを事前情報として知っているはずですから、自分が出社した後、そのまま席について黙っているのは得策ではありません。
朝礼等で挨拶を始める前に、できるだけ自分から周囲の社員に声をかけるようにして、職場に溶け込もうとする姿勢を見せられると好印象です。
簡単に「今日からお世話になります○○です。これからよろしくお願いします!」などと元気よく声をかけるだけで十分です。
自分から職場に順応しようとすることは、転職初日の挨拶の効果を高めてくれるだけでなく、万一失敗してしまった際のフォロー要素にもなるはずです。
転職初日の挨拶文のまとめ方
転職初日の挨拶文は、概ね次のような構成でまとめるとスマートです。
①「おはようございます」などの挨拶
②自分の「苗字(または氏名)」の紹介
③前職での経験
④転職にあたっての心構え、チャレンジしたいこと
⑤「一日でも早くお役に立てるよう精進いたします」などの意志表明
⑥「よろしくお願いいたします」で締め
①~⑥までは、それぞれ1文でまとまるようにすると、聞き手が「長い挨拶」だと感じにくくなるはずです。
自己紹介の要素も盛り込んでみよう
先にあげた構成で、内容をストレートにまとめても問題ないのですが、できればどこかに「自己紹介」の要素を盛り込んでみましょう。
例えば、珍しい苗字であれば「四月一日と書いてワタヌキと読みます」などと説明し、語源は旧暦の4月1日に衣替えをする習慣があったことだと一言添えると、聞き手にとって印象的です。
前職で特殊な経験をしていたり、出身地や趣味、休日の過ごし方なども添えられると、親近感をもってくれるかもしれませんね。
転職初日の挨拶の例文
転職初日の挨拶をする場面としては、大きく分けて次の2つのケースが想定されます。
●朝礼などのタイミングで、朝礼参加者全員に向けて口頭で挨拶
●メール・チャットなどを使ってテキストで挨拶
それぞれのケースにおいて、文章のまとめ方が若干異なるため、以下の例文で確認しましょう。
口頭で挨拶する場合の例文
口頭で挨拶する場合、どのような点を強調するのかによって、文章のまとめ方が変わってきます。
以下、基本的な例文と、それをもとにしたバリエーションをいくつかご紹介します。
基本の例文
おはようございます。
本日付で入社した「○○ ○○(氏名)」と申します。
前職では自動車販売のセールスとして働いておりましたが、もともとはエンジニアだったため、今回再びサービス部門で働けることを嬉しく思っております。
セールス・エンジニアの経験を活かし、少しでも早く戦力になれるよう努力いたしますので、よろしくお願いいたします。
前職で取り組んできたこと・経験してきたことを、新しい職場でどのように活かしていきたいのかについて触れる意識を持つと、比較的文章をまとめやすいでしょう。
未経験の業界で働くケースの例文
おはようございます。
本日付で入社した「○○ ○○(氏名)」と申します。
前職では出版業界で編集者として働いておりました。Webサイトのディレクションに携わるのは初めての経験のため、皆さまにはご迷惑をおかけすることと存じますが、いち早く戦力となれるよう努力する所存です。
よろしくお願いいたします。
未経験の業界で働く場合、他のスタッフに少なからず迷惑をかけることが予想されるため、その点を先回りする形で挨拶に含めましょう。
同じ業界で働くケースの例文
おはようございます。
本日付で入社した「○○ ○○(氏名)」と申します。
前職では、○○社で不動産管理スタッフとして6年間勤務いたしました。
督促および関連作業の効率化に携わった経験がございますので、その経験を活かして「現場のDX化」というミッション達成に貢献できるよう努力する所存です。
どうぞよろしくお願いいたします。
同じ業界で働く場合、前職でどのような経験を積んだのか、その経験をどのように活かせるのか、端的かつ具体的に述べられるとよいでしょう。
自分の“キャラクター”を立てたい人の例文
おはようございます。
○○県から引っ越し、本日より一緒にお仕事をさせていただくことになりました「○○ ○○(氏名)」と申します。
バイクが趣味で、よくツーリングをしているため、同じ趣味をお持ちの方はぜひお声がけください。
一日でも早くお役に立てるよう精進いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。
自分がどのような人間なのかを説明する場合、過去に住んでいた地域や趣味などを挨拶に盛り込むと、自分のキャラクターが立ちやすくなるでしょう。
テキストで挨拶する場合の例文
メールやチャットなどテキストでの挨拶を考える際は、読み手にとって負担が少ないよう、表現を工夫することが大切です。
その一方で、口頭で挨拶するよりも多くの情報を盛り込みやすいため、以下の例文をもとに自分らしさをアピールすることが大切です。
○○部(自分が働くセクション)の皆さま
初めまして。
本日付で○○部(自分が働くセクション)に配属されました、○○ ○○(氏名)と申します。
前職では経理・総務職として、幅広い業務に携わらせていただきましたが、食品業界は未経験です。
不慣れな点が多く、皆さまにはご迷惑をおかけするものと存じます。
少しでも早く仕事に慣れ、お役に立てるよう精進いたしますので、ご指導・ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
【署名】
例文につき、一文が長いと感じたら、読点(、)ごとに改行してもよいでしょう。
転職初日の挨拶の注意点
転職初日に挨拶をする際は、話が長くならないよう、概ね「1分以内に終わる」ボリュームで挨拶文を考えましょう。
声を出す際は、ボソボソしたり自信なさげにしたりすることなく、多少間違えてもよいので“元気にハキハキと話す”ことを意識すると好印象です。
完璧である必要はなく、自分の言葉で自分の思いを伝えられると良いでしょう。
また、前職での経験について触れる際は、なるべく謙虚に、知らず知らずのうちに自慢にならないよう情報を盛り込んでください。
ま朝礼の挨拶が終わったら、個別に挨拶回りをする可能性があるため、その際は「本日からお世話になります○○です、よろしくお願いします」と簡単に挨拶できるよう、心の準備をしておきましょう。
まとめ
転職初日の挨拶は、自分の第一印象を決める重要なイベントですから、決して手を抜かないようにしましょう。
事前準備として、出社時間や服装、会社の情報などを確認しておき、挨拶の前に自分の印象を良いものにできるような努力が必要です。
実際に挨拶をする際は、自己紹介と前職の経験、転職への意気込み、可能な範囲で趣味などのカジュアルな話も交え、謙虚な姿勢で、ハキハキと話すことが大切です。
2024年12月9日公開