履歴書にアルバイト歴は必要?基本的な書き方や書かなくてもよいケースなどを解説
履歴書の「職歴」欄には、正社員・契約社員・派遣社員など「社員」の雇用形態で働いた経験を記載するのが一般的です。
しかし、応募先の業種・職種や、過去の実務経験によっては、アルバイト経験を記載してアピールした方がよい場合もあります。
この記事では、履歴書にアルバイト歴を記載する際の基本的な書き方に触れつつ、書くべきケース、書かなくてもよいケースについて解説します。
履歴書にアルバイト歴を書いた方がいい人
以下のようなケースでは、履歴書にアルバイト歴を書くことで、応募先に自分のキャリアをアピールすることにつながります。
●今回応募する仕事の雇用形態もアルバイト・パートの人
●アルバイトではあったが、長期で働いていた経験がある人
●アルバイトで培ったスキルが応募先で活かせる人
●しばらく子育てに専念していたなどの理由から「ブランク期間」がある人 など
過去にもアルバイトとして勤務しており、今回もアルバイト・パートの募集に応募した場合は、アルバイト経験をアピールしてもまったく問題ありません。
また、数ヶ月~数年という長期間のアルバイトを経験している場合は、長期にわたり働いた実績やそこで培った経験・スキルをアピールしやすいでしょう。
アルバイト先で特別なスキルを得られた人は、資格など“身に付けたスキル”と併せて記載することで、採用担当者に自分の魅力を伝えられるでしょう。
その他、数年間家庭に入っていたなどの理由からブランクが気になる人は、書き足した方が安心できるなら、履歴書に記載しておきましょう。
なお、すでに社会人の方が職歴欄を書く場合、学生時代のアルバイトは基本的に記載不要です。
面接中に、エピソードの一つとして話題に上ることはあるかもしれませんね。
履歴書に書いておいた方がよいアルバイト経験
実際に、履歴書に書くアルバイト経験は、次のようなケースが良いでしょう。
●社会保険に加入していたアルバイト経験
●応募先の仕事内容にマッチする経験
●具体的な能力、業務内容を説明できる経験 など
以下、それぞれのケースについて解説します。
・社会保険に加入していたアルバイトの経験
アルバイトで働く人が社会保険に加入する場合、次の条件を満たしている必要があります。
●週の所定労働時間が20時間以上
●毎月決まってもらう給与の額が月額8.8万円以上
●2ヶ月を超える雇用の見込みがある
●学生でない
●従業員数51人以上の企業で働いている
社会保険に加入して、一定期間アルバイトとして働いた事実は、比較的長期にわたり同じ職場でしっかり働いていたことを証明する情報となります。
履歴書に記載することで、企業側に「この人は長く真面目に働いてくれそうだ」と判断してもらえる材料になるでしょう。
また、応募先で社会保険への加入を希望する場合、前職の社会保険から移行手続きを踏む必要があります。
よって、人事・採用担当者が採用後に必要な手続きを把握する上でも、社会保険加入の情報は役立つはずです。
・応募先の仕事内容にマッチする経験
アルバイトで経験したことは、詳細な業務内容は違ったとしても、培ったスキル・知識を応用して活かせることがあります。
新しい職場でも活かせる代表的なスキルとしては、次のようなものがあげられます。
●顧客対応・接客対応
●販売・営業経験
●事務・PC作業経験 など
過去にカフェなどでの店舗勤務を経験し、クレーム対応も含め様々なお客様とのやり取りしたことがある人なら、コールセンター業務の適性もあるかもしれません。
また、携帯電話などの販売業務に従事した人なら、その他の店頭販売や受付業務も柔軟に対応できる可能性があります。
その他、事務の適性は幅広い業務・職種に応用でき、特にPCスキルは様々な職場で重宝されるでしょう。
上記のようなスキルを得ているなら、職歴に記載することでアピールポイントになりやすいです。
・具体的な業務内容を説明できる特殊な経験
日常生活では経験しないような、やや特殊なアルバイトで経験がある場合は、具体的に能力・業務内容を説明できる内容に限り、アルバイト経験を記載してもよいでしょう。
面接官や採用担当者の興味を引くような切り口で、端的に業務内容や経験したことを記載しておくと、そこから話題が広がる可能性があります。
なお、一概にはいえませんが、あまり多くの人が経験しないアルバイトの種類としては、次のようなものが考えられます。
●選挙開票速報のカウント
●お化け屋敷の“お化け”役
●探偵のアシスタント
●映画やドラマのエキストラ
●結婚式の聖歌隊
●冬季の除雪作業員 など
このほかにも、あまり知られていない意外な仕事を経験している人は、履歴書に記載してみることをおすすめします。
履歴書にアルバイト歴を書かない方がいい人
ここまで、履歴書にアルバイト歴を書いた方がよいケースについてお伝えしてきましたが、逆に「書かない方がよい」場合もあります。
例えば、次のケースでは、あえてアルバイトの経歴を職歴に書く必要性は薄いでしょう。
●新卒の就職活動においての履歴書内
●正社員から正社員への転職においての履歴書内
●転職活動中、当面の生活のためアルバイトをしていたケース
●アルバイトに従事していた期間が短期間のケース など
正社員を目指すための就職活動・転職活動を行っている場合は、そのアルバイト経験が正社員として働くのに活かせそうなケースを除いては、基本的にアルバイト経験の記載は不要と考えておきましょう。
また、転職活動中に“つなぎ”の感覚でアルバイトをしていたケースも、職歴欄に記載するには弱い情報です。
なお、「アルバイトに従事していた期間が短期間」とは、概ね離職までの期間が「3ヶ月未満」であるケースが想定されます。
そもそも短期・単発バイトの場合は別ですが、本来長期のバイトをすぐに辞めてしまったケースは、アピールになるどころか、「教えても、一人前になる前に辞めてしまうではないか」と思わせてしまいかねないため注意しましょう。
履歴書にアルバイト歴を記載する際の基本的な書き方(見本)
履歴書にアルバイト歴を記載する際は、会社名を記載したあと、かっこ書きで「アルバイト」と記載します。
また、複数の店舗がある職場で勤務している場合は、自分がどの店舗で働いているのかも記載しておきましょう。
年 | 月 | 職歴 |
---|---|---|
2021 | 4 | ○○株式会社 入社 |
企画部配属 旅行誌「××××」の企画・提案に携わりつつ、編集も行う | ||
2022 | 7 | ○○株式会社 一身上の都合により退職 |
2022 | 8 | 株式会社△△ 入社(アルバイト) |
バーガーショップ××× □□店にて勤務 | ||
現在に至る | ||
以上 |
履歴書にアルバイト歴を記載する際の書き方Q&A(応用編)
特殊な職歴がある場合、自分はどう書いたらいいか分からないという人もいるでしょう。
そこで、基本的な書き方で触れた見本を踏まえ、履歴書にアルバイト歴を記載する複数のケースを想定して、Q&A形式で書き方をいくつかご紹介します。
Q.応募先にアピールしたいアルバイト経験はどう書くべき?
A.応募先に対して、過去のアルバイト経験をアピールする必要がある場合は、次の例のようなイメージで、職歴欄に業務内容を記載するとよいでしょう。
年 | 月 | 職歴 |
---|---|---|
2021 | 4 | ○○株式会社 入社 |
企画部配属 旅行誌「××××」の企画・提案に携わりつつ、編集も行う | ||
2022 | 7 | ○○株式会社 一身上の都合により退職 |
2022 | 8 | 株式会社△△ 入社(アルバイト) |
ゲームセンター□□のアミューズメントスタッフとして勤務 | ||
メダルゲームコーナーにて、お客様対応やマイクアナウンス、景品交換、在庫管理等を担当 | ||
(詳細は職務経歴書に記載しております) | ||
現在に至る | ||
以上 |
職歴欄に書ける内容は限られるため、より詳細に内容を説明しようと考えている場合は、職務経歴書に記載があることをかっこ書きで伝えましょう。
Q.複数のアルバイト経験をアピールしたい場合はどう書く?
A.アルバイト経験が複数あり、いずれの経験も応募先で活かせると判断した場合は、次の例のように続けて記載すると分かりやすいでしょう。
年 | 月 | 職歴 |
---|---|---|
2021 | 4 | ○○株式会社 入社 |
企画部配属 旅行誌「××××」の企画・提案に携わりつつ、編集も行う | ||
2022 | 7 | ○○株式会社 一身上の都合により退職 |
2022 | 8 | 株式会社XXXXにアルバイトとして入社(2023年3月退職) |
チョコレート菓子製造作業スタッフとして、商品梱包ラインを担当 | ||
2023 | 4 | 株式会社YYYYにアルバイトとして入社(2024年3月退職) |
菓子処○○ □□店にて和菓子の販売業務に従事 | ||
2024 | 4 | 株式会社ZZZZにアルバイトとして入社 |
和洋菓子の○○ □□店にて菓子製造補助・販売に従事 | ||
現在に至る | ||
以上 |
アルバイト経験を複数記載する場合は、類似性のある職種・職場への転職を行ってきたことなど、転職の理由が採用担当者に分かりやすいよう構成するとよいでしょう。
Q.実家の仕事を手伝ったケースはアピールできる?
A.アルバイトではないものの、実家の家族の仕事を手伝っていた場合は、次の例のように記載するとよいでしょう。
年 | 月 | 職歴 |
---|---|---|
2021 | 4 | ○○株式会社 入社 |
企画部配属 旅行誌「××××」の企画・提案に携わりつつ、編集も行う | ||
2022 | 7 | ○○株式会社 一身上の都合により退職 |
2022 | 8 | 農作業手伝い(実家の自営農家) |
野菜の生育・収穫・出荷に携わり、現在に至る | ||
以上 |
家業とはいえ、業務内容に関しては、できる限り具体的に記載することをおすすめします。
まとめ
正社員等への転職に関しては、基本的にアルバイト経験を職歴に記載する必要はありません。
しかし、アルバイト経験が応募・転職におけるアピールポイントになる場合は、職歴に記載しておくと良い評価につながる場合があります。
特に、長期的に働いていた経験や、応募先の仕事内容に活かせそうな経験は、しっかり記載しておきましょう。
2024年10月31日公開