履歴書作成後に「間違えたまま提出する」・「修正する」のはOK?NG?

履歴書作成後に「間違えたまま提出する」・「修正する」のはOK?NG?

履歴書を書き間違えた場合は、原則として「一から書き直す」必要があります。

しかし、書き直す時間がなかったり、企業指定の履歴書に記載しなければならなかったりする場合は、「間違えたまま提出せざるを得ない(その旨報告する)」か、あるいは「修正する」かの選択を迫られることになります。

この記事では、履歴書作成後に記載内容に間違いがあったことに気付いた際、どのような対応が必要になるのか、イレギュラーケースでの対応も含め解説します。

履歴書の内容を書き間違えた場合の基本的な対応

履歴書を書き間違えてしまった場合は、一から履歴書を作成し直して提出するのが基本です。

履歴書に書き間違いがあることが、直接採用の合否に影響するという訳ではありません。
しかし、履歴書のミスを放置したまま応募先に提出してしまうと、採用担当者から「履歴書を正しく書けない人」として評価されてしまう可能性があります。
慎重さや正確さが必要な職種の場合は、その可能性が高まるでしょう。

よって、履歴書を書き直す時間的ゆとりがある場合や、履歴書の書式に特段の指定がない場合は、書き間違いに気付いた段階で、新しい履歴書を一から書き直しましょう。

履歴書を「間違えたまま提出する」または「修正する」ことのリスク

履歴書を書き間違えたとき、「わずかな間違いなら、修正テープや修正液などを使って修正すれば問題ないのでは?」と考える人もいるでしょう。
履歴書がもったいないという考えもあるでしょう。

しかし、応募者が履歴書を間違えたまま提出したり、履歴書を修正したりすることに対して、企業側がネガティブなイメージを持ってしまうのには相応の理由があります。

以下、履歴書を間違えたまま提出すること、履歴書を修正して提出することのリスクについて解説します。

・履歴書を間違えたまま提出することのリスク

そもそも、履歴書の内容に間違いがあることは、応募者がその間違いに気付いているかどうかに関わらず、評価を下げてしまう一因となりえます。

採用担当者の心理として、間違いに気付いたまま提出したのであれば「自社に応募する熱意がその程度なのか」と疑わざるを得ないでしょうし、気付いていないのなら「実務面での能力が不十分なのではないか」と勘繰ってしまうかもしれません。

応募者が想定している以上に、履歴書は企業にとって重要な書類であり、応募者の身元証明だけでなく、文字や記載内容から人となりを判断するのにも役立ちます。

また、履歴書は労働基準法によって保管義務が定められている書類の一つであり、在職中の社員は雇用継続中、退職した社員は退職後5年が経過するまで保管しなければなりません。
これだけ重要度の高い書類ですから、志望度の高低にかかわらず、履歴書は間違いのないよう作成するのが大前提です。

・履歴書を修正して提出することのリスク

わずか一文字の誤りであれば、履歴書を修正して提出したいと考えてしまうのはある意味当然のことかもしれません。
実際、履歴書以外の公的な書類では、所定のルールに従うという条件こそあるものの、修正して提出しても差し支えないものはいくつか存在します。

しかし、先述した通り、履歴書は企業にとって“保管義務”のある重要なビジネス書類の一つです。

それを修正テープや修正液などを使って修正してしまうと、その書類の信頼性そのものが揺らいでしまいます。
極端な話、履歴書に記載されている内容を、企業が意図的に書き換えているものと疑われるリスクさえ生じてしまいます。

履歴書を作成する際は、たった一字であったとしてもミスは許されない書類と心得た上で、慎重に作成することが大切です。

履歴書を書き間違えた!どうしても修正しなければならない場合はどうする?

ここまでお伝えしてきた通り、履歴書は原則として間違い・修正が許されない書類です。

しかし、専用の応募用紙を使用しなければならない場合、応募から書類選考・面接までの時間がギリギリの場合などは、やむを得ず修正を試みることも考えておかなければなりません。

以下、履歴書を書き間違えてしまい、修正の必要が生じた場合の主な対処法について解説します。

・「二重線」と「訂正印」を使って訂正する

履歴書に記載した内容に書き間違いが見つかり、書き直すのが難しい状況の場合は、以下の手順で間違えた箇所を修正します。

●間違えた箇所に「二重線」を引く
●二重線を引いた箇所の上に「訂正印」を押す

二重線を引く際は、フリーハンドで引くと線が曲がったり汚くなったりするおそれがあるため、定規などを使って真っ直ぐ線を引きましょう。
また、訂正印は、実印や銀行印・シャチハタなどを使用せず、ビジネスシーンで使用するための「認印」を用意します。

・訂正を想定して、事前に担当者に確認を入れておくのも一手

応募先の都合により、急ぎで書面を用意しなければならなかったり、専用の応募用紙を使う必要があったりする場合は、事前に担当者に「修正したい場合はどうすればよいか」を予め確認しておくのも一手です。

例えば、急遽面接の予定が決まり、応募書類を面接時に持参するような場合は、どうしても用意の時間が限られてしまうでしょう。

そのようなケースにおいては、事前に修正の可能性を想定し、間違いがあった場合は二重線+訂正印で対応して問題ないのか、採用担当者に確認しておくと安心です。

履歴書を書き間違えないようにするためのコツ

履歴書を書き間違えずに、スムーズに作成するためには、いくつか押さえておきたいポイントが存在します。
以下、履歴書を書き間違えないようにするためのコツについて、主なものをいくつかご紹介します。

・鉛筆書きで見本を作成する

履歴書をいきなりボールペンで書き出すと、年月や学校名、資格の正式名称など、普段はあまり意識して記載することのない箇所でつまずいてしまうおそれがあります。

そのため、履歴書の用紙は余分に用意しておき、1枚は鉛筆書きで見本用に使うことをおすすめします。

人によっては、まず鉛筆で下書きをして、ボールペンでそれをなぞる書き方をする人もいますが、丁寧に消さないと汚い印象を与えてしまいます。

よって、鉛筆書きはあくまでも見本として作成し、文字のバランスの確認や内容の推敲ができるようにしておきましょう。
見本の内容に納得がいったら、自分で作った見本を見ながら、ボールペンで提出用の履歴書を作成します。

・筆記用具や周囲の環境に気を配る

手書きで履歴書を作成する際は、使い慣れた筆記用具(ボールペンなど)を選んだ方が、丁寧な文字を書きやすくなるでしょう。
履歴書だからといって、新品のボールペンを購入すると、それが使いにくかった場合にミスを誘発するおそれがあります。

また、テレビやラジオをつけたまま書き始めると、注意力が散漫になり思わぬミスにつながりかねません。
履歴書を仕上げる際は周囲の環境にも気を配り、できるだけ静かな場所で、整頓された机の上で作成することをおすすめします。

・特段指定がなければパソコンでの作成が無難

履歴書を「手書き」で作成する指定がない場合は、ミスのリスクを減らすためにパソコンで作成するのも良い方法です。

履歴書のフォーマットをWeb上からダウンロードすれば、そのフォーマットに沿って必要事項を入力すれば問題なく、入力間違いがあれば提出前に修正することも容易です。

履歴書の間違いに関するQ&A

履歴書は、正しく書くことも大切ですが、間違いが起こってしまったケースを想定しておくことも重要です。

以下、履歴書の間違いに関する望ましい対応について、ケース別にQ&A形式で解説します。

Q.応募書類をポストに投函後、すぐに間違いに気付いたら?

A.気が付いた時点で、履歴書の「どこが」・「どのように」間違えているのか、正しい情報とともに採用担当者に電話、またはメールで連絡を入れ、今後の対応(履歴書を再送するなど)について確認しましょう。

Q. ミスに気付かないまま履歴書を提出し、面接の直前で気付いてしまったら?

A.面接の場でその旨を詫び、正しい情報を面接官に伝えましょう。

Q.間違いを防ぐために、消せるタイプのボールペンを使用するのはOK?

A.消せるタイプのボールペンは、修正テープ・修正液と同様に「第三者が容易に内容を改ざんできる」ことから、企業によっては履歴書に使用することを認めていない場合があるため、使用しない方が賢明です。

まとめ

履歴書は、企業が応募者の人物像を判断する重要な書類の一つであり、書き間違いは企業側に不信感を与える可能性があります。

よって、履歴書の記載内容に誤りがあることに気付いたら、原則として一から書き直す必要があります。
ただし、やむを得ない事情からどうしても修正が必要な場合は、二重線と訂正印で修正するようにしましょう。

近年ではパソコンで履歴書を作成するケースも増えてきているため、手書きの指定がない場合はパソコンでの作成も検討することをおすすめします。

2024年10月29日公開

文:JOB編集部

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