転職でWeb面接を受ける際の流れ｜パソコンがない場合の対処法も解説

Web面接とは

Web面接とは、インターネット回線を通して、オンライン・遠隔で実施される面接のことです。

Web面接で利用される端末の種類としては、パソコンのほかタブレット・スマートフォンなどがあげられます。
実際に面接を実施する際は、ビデオ通話が可能になる各種Web会議ツールを利用することになります。

広く用いられているツールのほか、企業独自のツールを用いて面接する場合もあるため、面接を受ける前に操作方法などを確認しておくことが大切です。

Web面接のメリット・デメリット

Web面接は、対面での面接に比べて、次のようなメリットが期待できます。

・時間を効率的に使える（移動が伴わないため、面接の前後にも予定が入れやすい）
・交通費がかからない（公共交通機関を使う必要がない）
・多様な面接形式がある（質問に対する回答を録画するタイプの面接もある）

その一方で、次のようなデメリットもあります。

・接続不良などweb環境の不具合が起こりかねない
・コミュニケーションがとりにくい（対面よりも声のトーンが分かりにくかったり、表情が読み取りにくかったりする）
・環境整備が必要（インターネット環境・ツールを利用できる端末がなければWeb面接ができない）

Web面接では、応募者は自宅などで面接を受けることができ、移動時の交通費もかかりません。
しかし、Web面接を受けるためには、応募者自身が事前に環境を整えなければなりません。

また、Web面接中は、対面とは異なる形でのコミュニケーションに慣れる必要があります。

これからWeb面接を控えている人は、当日までに適切な形で準備を進めるだけでなく、Web面接の一般的な流れを正しく理解した上で、面接をスムーズに進めるためのポイントを押さえることが大切です。

Web面接の一般的な流れ

転職活動におけるWeb面接では、一般的には次のような流れで面接が進みます。

以下、それぞれの流れについて解説します。

①企業側が提示したWeb会議ツールにログイン

Web面接を行う際は、Web会議ツールのトークルームにつながるURLが、応募者のもとにメールで届くケースが一般的です。

面接当日・定刻になるとトークルームが開くため、応募者は定刻に間に合うよう、あらかじめメールに記載されている情報をもとにWeb会議ツールにログインします。

Web面接で使用するツールの使い方に慣れていない場合は、事前に操作方法を確認しておくと安心です。

例えば、マイクや音声のボリューム変更、トークルームの入退室方法、カメラに自分の顔が映った際の明るさや角度などをチェックしておきましょう。

②開始時間までトークルーム（Web会議を行う画面）にて待機

操作方法や顔の映り具合などを確認したら、面接開始の10分前を目途に、トークルームで待機しましょう。
待機している時点では、面接官の入室は確認できないため、仮に自分の顔や面接官の顔が画面上に映っていなかったとしても、何らかの理由で自分の顔が面接官からは見えている可能性があります。

よって、待機の段階で表情を崩さず、いつでもスタートできるような状態にしておきましょう。

なお、Web会議ツールによっては、面接官に対して事前にメッセージを送れる機能を備えているものもあります。
その場合は、準備が整った旨をあらかじめ伝えておくと、面接官に好印象を与えられるはずです。

③面接スタート

実際に面接がスタートしたら、対面の面接と同じように、面接官に挨拶をします。

面接官から声をかけられたら、それに合わせるように挨拶をして、面接の機会をいただいたことについて感謝の気持ちを伝えましょう。

面接中の注意点として、Web面接においてはマイクを通して音声が届くため、自分の声が面接官に届いているか、逆に面接官の声が自分に聞こえているか、確認することをおすすめします。

自分が話す際は、できるだけ大きな音量を意識して、はっきりした声で話すようにします。
また、面接官の声がどうしても聞き取りにくい場合は、スピーカーの音量を上げて対応しましょう。

④やり取りがすべて終了したらトークルームから退出

一通り面接でのやり取りが終了したら、面接官にお礼の言葉を述べ、トークルームから退出します。一般的には「退出」などのボタンが目立つ位置に置かれています。

面接官が先に退出することが一般的ですが、先に退出を促される場合もあるため、面接官の指示に従いましょう。

転職のWeb面接で当日慌てないための準備

Web面接を問題なく終了するためには、次のようなポイントを押さえて準備することが大切です。

・端末や周辺機器（Webカメラなど）
・場所の確保
・当日着用するもの
・背景への配慮
・通信環境

以下、それぞれのポイントについて解説します。

端末や周辺機器（Webカメラなど）

Web面接で使用する端末は、画面の大きさや接続の安定性を考慮して、基本的にはパソコンを使いましょう。
面接官の声は、パソコンのスピーカーからも聞こえますが、聞き取りやすいようイヤホンやヘッドセットを使った方が安心です。

また、パソコンにカメラが内蔵されていない場合、Webカメラをつなぐのも忘れないようにしましょう。
Webカメラで自分の顔を映した際、明るさが足りないように感じたら、顔を明るく照らすために卓上ライトを使いましょう。

場所の確保

できるだけ静かな環境で会話ができるような場所を確保しておくことも大切です。

基本的には自宅の誰もいない部屋を選べば問題ありませんが、工事の騒音や電車の音などに配慮できるよう、窓を閉めた状態で面接を受けるのが理想です。

家族と同居しているなどの理由から、家では落ち着いて面接が受けられない場合は、公共機関に設置されているワークブースやレンタルスペースなどを利用するのも一手です。
喫茶店やファミレスは、周囲の音もあり且つ店内の他のお客様の迷惑になりかねないので避けましょう。

当日着用するもの

Web面接であっても、ビジネスパーソンとしてきちんとした格好をする必要があるため、当日着用するものはスーツ上下が基本的なスタイルになります。

カメラを通しては上半身しか見えないケースがほとんどですが、万一のことを考えて、下半身が映ったとしても問題ないよう準備しておくと安心です。

背景への配慮

Web会議ツールの多くは、いわゆる「デジタル背景」と呼ばれるバーチャルな背景を設定できるようになっています。

しかし、被写体である自分を切り取る精度が不十分なツールの場合、不自然な切り取られ方をしてしまうおそれがあるため、Web面接では使わない方が無難です。

面接を行う際は、部屋の中にある無駄なものを片付けておき、背景が壁だけになるよう整えましょう。

通信環境

ビデオ通話を行うWeb面接では、インターネットに安定的に接続できる環境を準備するとともに、回線速度にも注意が必要です。

Web会議ツールには、それぞれ推奨する回線速度があるため、最低でもその回線速度を実現できるような環境を整えましょう。

使用しているプロバイダのプランやルーターにもよりますが、パソコンの有線接続やWi-Fi接続であれば、基本的に問題ないものと考えられます。

自宅にパソコンがない場合はどうする？

自宅にパソコンがない状況でWeb面接を行う場合は、タブレットまたはスマートフォンを使用します。

タブレット・スマートフォンは、そのままでは状態が安定しない構造のため、スタンドを使って固定します。
このとき、上半身が映るようにセットするだけでなく、面接官を上から目線で見ることのないよう目線を調整することも大切です。

Web会議ツールによっては、アプリを事前にインストールしておく必要があるケースがあるため、その点にも注意が必要です。
なお、バッテリー切れにならないよう、面接を受ける前に充電は済ませておきましょう。

転職でWeb面接に臨む際の注意点

Web面接時は、以下の点に注意して面接に臨みましょう。

目線はカメラに向ける	目線を面接官に向けると、自分とは違う方向を向いているように見えてしまう。ただし、理解促進のため表情を見ながら聞きたい・話したいという場合は、その限りではなく臨機応変に対応しましょう。
リアクションは“大げさ”に	対面よりも表情や声のトーンが分かりにくいことを踏まえ、しっかりうなずくなどできるだけリアクションを大きくすることを意識して、面接官に熱意や「話を聞いている」という意思を伝えるましょう。
カンペは使わない	失敗を恐れるあまり、カンペを用意したがる人もいるが、面接官が会話の不自然さに気付く可能性が高いです。
メモはメモ帳に	パソコンやスマートフォンなどの端末を使ってメモを取ろうとすると、操作ミスで画面を消してしまう可能性があるため、メモすべきことは手元のメモ帳に記載しましょう。

まとめ

転職時のWeb面接は、新型コロナ禍を経ても一般的に用いられており、応募者にとっても移動時間や交通費の削減といったメリットがあります。

しかし、面接官とのコミュニケーションが対面よりも難しくなることが予想されるため、Web面接における一連の流れを把握した上で面接に臨むことが大切です。

周辺機器や場所、服装、背景、通信環境にも配慮した上で、本番ではできる限り分かりやすいリアクションを意識し、面接官に好印象を与えられるよう心がけましょう。