転職では「複数応募」するのがポイント!穏便な断り方についても解説

転職では「複数応募」するのがポイント!穏便な断り方についても解説

転職活動においては、1社の採否が決まってから別の企業に応募するやり方は非効率なので、複数応募するのが基本的な戦略になります。

実際、複数社に応募して内定を獲得するケースは決して珍しくないことから、転職活動を円滑に進めるためには複数の求人に応募した方が効率的です。

この記事では、転職活動で複数応募する際に押さえておきたいポイントや、内定を複数もらった場合の穏便な断り方などを解説します。

転職活動の複数応募は「何社まで」OK?

転職活動で複数応募する際は、同時期に応募する企業の数について、各種法令等による制限はありません。

よって、応募したければ、50社でも100社でも複数応募自体は可能なわけですが、仮にその50~100社から面接の連絡が来た場合、求職者がすべての企業に対応するのは難しいでしょう。

そのため、自分が置かれている環境に応じて、複数応募する企業数はある程度絞り込みましょう。

複数応募は8~10社を目安に

求人を厳選し「すべての応募先について、内定をもらえた段階で転職する」という想定で転職活動を行うのであれば、複数応募する企業の数は8~10社が一つの目安になります。

企業数を10社に絞る理由としては、以下があげられます。

●書類選考・面接の通過率を考慮して、一定数の応募は必要
●1ヶ月の中で土日祝・休日に面接を予定すると仮定した場合、8~10社は面接の予定を調整できる限界に近い
●転職活動を長期化させず、モチベーションを一定に保てる

一概にはいえませんが、応募書類を送付してから内定が出るまでには、1ヶ月程度の時間を要するものと考えた方がよいでしょう。

そのため、1ヶ月という期間で内定までの転職活動を完結できるイメージで動こうとすると、原則週休2日制の企業に勤めているケースを想定した場合、8~10社が限界になるものと考えられます。

応募先の面接日が平日(現在の勤め先の稼働日)の場合は、有給休暇を使う、または終業後に面接に出向くことになります。
この場合は、有給休暇をどの程度取得できそうか、応募先企業は夕方以降の面接も可能かなどの調整が必要に。この調整に応じて複数応募可能な数を導きだしましょう。

書類選考での不採用リスクを想定するなら20社前後を目安に

転職をしなければならない差し迫った事情があり、どうしても早期に内定を獲得したい場合は、できるだけ多くの企業に応募すると効率的に転職活動を進められます。

例えば、地方での転職で、これまで経験したことがない業種・職種も視野に入れて応募する場合は、不採用になるリスクを考えて応募する必要があります。

自分の中で、応募したいずれの求人であっても働く覚悟があるなら、あえて応募する企業を増やすのも一手です。しかし、複数の企業に応募した結果、かえって身動きが取れなくなってしまうと本末転倒です。

よって、まずは8社を目安に複数応募して、それで思ったような結果につながらなかった場合に、応募社数を増やすのがよいでしょう。

転職で複数応募するメリット

転職活動で、複数の企業に応募するメリットとしては、次のようなものがあげられます。

●短期間で内定を獲得しやすい
●複数の企業を比較検討できる
●転職活動の経験をより多く積める

以下、それぞれのメリットについて解説します。

短期間で内定を獲得しやすい

複数応募した場合、選考が同時進行で進むため、1社の結果を待つことなく転職活動を続けられます。
選考結果を待っている間、別の企業に応募する分、単数応募に比べて短期間で内定を獲得しやすくなります。

複数の企業を比較検討できる

1社だけでなく複数の企業に応募することで、面接に出向いた際の社内の雰囲気・面接官から聞いた話の内容を吟味するチャンスが増えるため、採用されたらどこで働くかを検討しやすくなるでしょう。

求人をチェックした際は魅力的に感じられたはずの職場でも、実際に面接に臨んで違和感を覚えたら、その時点で辞退して次の応募に注力することもできます。

転職活動の経験をより多く積める

ある応募先で不採用となった場合は、その原因を想定して次の面接に臨めるため、書類作成・面接のスキルアップにもつながります。

1社の選考に落ちても「次がある」と考えることで、モチベーションを保ったまま転職活動を続けられるのも、複数応募のメリットです。

転職で複数応募するデメリット

転職活動で複数応募する場合、次のデメリットについても想定しておきましょう。

●スケジュール調整が大変
●応募先の研究に時間をかけにくい
●心理的に後ろめたさが生まれやすい

以下、詳細を解説します。

スケジュール調整が大変

特に短期間で転職活動をする場合に言えることですが、複数応募すると応募書類の作成・提出や面接の日程調整など、各種スケジュールの調整が厳しくなってきます。

現在の職場で働きながら、休みの日や終業後の時間などを面接に充てる状況が増えるため、心身に余裕のない状況で転職活動を進めてしまうおそれがあります。

応募先の研究に時間をかけにくい

応募先の企業研究を怠ると、それは応募書類の中身や面接での受け答えに反映されてしまうため、せっかく求人に応募するのであれば企業研究に時間をかけたいところです。

しかし、複数の選考が重なり企業研究の時間が削られると、書類選考や面接が不完全燃焼で終わってしまう可能性があるため注意しましょう。

心理的に後ろめたさが生まれやすい

複数応募の場合、内定をもらったすべての企業で働くことはできないため、意中の企業から内定をもらった場合、他の応募先には辞退の連絡を入れなければなりません。

この点において、自分のために時間を割いてくれた人たちに申し訳なさを感じてしまう場合は、複数応募によって転職へのモチベーションがダウンしてしまうおそれがあるでしょう。

転職の複数応募では「穏便な断り方」を押さえることも重要

転職で複数の企業に応募した場合、そのうちのいずれかに内定が決まると、これから面接を受けようとしている企業などに辞退の連絡を入れなければなりません。

その際、申し訳なさから無連絡で辞退してしまうと、その後のトラブルにつながりかねないため、穏便な断り方を押さえておくと安心です。

内定を断る際は「電話→メール」の順で

内定辞退の連絡を入れる際は、最初に電話で、可能な限り早いタイミングで連絡します。

早めに行動することで、応募先にも別の求職者を採用する余裕が生まれやすくなるため、辞退の方針が決まったらすぐに連絡を入れたいところです。

電話はメールに比べて採用担当者と直接やり取りできるため、開封されないまま時間が過ぎてしまうリスクも減らせることから、まずは電話による辞退が基本的なマナーとなります。
その上で、電話で連絡がつかなかった場合は、電話で連絡を入れた旨を書き含めてメールを送信しましょう。

内定の穏便な断り方の例文

内定を穏便に断りたい場合、次のようなイメージで断るとよいでしょう。

このたび、内定の通知をいただきました○○と申します。内定まで色々とお世話になり、誠にありがとうございました。実は、誠に勝手ではございますが、内定を辞退させていただきたくご連絡いたしました。自分の将来について真剣に考えた結果、個人的事情もあり今回は辞退させていただきたく存じます。御社にご迷惑をおかけしてしまう形になり、大変申し訳ありません。

辞退の理由について詳しく聞かれた場合、漠然とした理由を伝えた方が無難です。
トラブルに発展するのを避けるため、間違っても「別の応募先の待遇が良かった」などと言わないよう注意しましょう。

転職で複数応募をする際の注意点

転職で複数応募をする際は、以下の点にも注意が必要です。

応募社数を多くすべきケース・少なくすべきケースを把握する

先述した通り、複数応募にはメリット・デメリットが存在します。
よって、自分の転職活動の予定に応じて、応募社数を多くするか少なくするか判断しなければなりません。

以下、応募社数を多くすべきケース・少なくすべきケースについて、主な状況をまとめました。

応募社数を多くすべきケース ●転職で失敗したくない
●未経験の業種・職種への応募を検討している
●複数の企業・業界を比較検討して決めたい
●転職活動を短期決戦で考えている
応募社数を少なくすべきケース ●働きたい職場・譲れない条件がある
●同業種または同職種で転職したい
●限られた時間で転職活動を成功させたい

応募社数を決める際は、自分がどのような状況に置かれているのか、事前に把握した上で決めることをおすすめします。

やみくもに応募しない

転職活動では、複数応募が必ずしも内定の獲得につながるとは限りません。自分が応募できそうな求人に片っ端から応募しても、その意図は多くの採用担当者に見透かされるでしょう。

転職活動にかけられる時間を把握した上で、応募から内定までの予定を立てつつ、しっかり対策を立てられるスケジュールで応募することが大切です。

まとめ

転職活動においては、複数応募が基本戦略となり、概ね8~10社が同時に応募できる目安となります。

複数応募には、短期間での内定獲得、応募企業の比較検討、経験蓄積などのメリットがある一方、スケジュール調整や企業研究の難しさ、心理的負担などのデメリットも存在します。

そのため、封数応募における応募社数は、自分の状況に応じて調整し、内定が欲しいからといってやみくもに応募しないことが大切です。

内定をもらった企業に辞退の連絡を入れる際は、先に電話で連絡を入れ、つながらなかった場合はメールを送付するようにしましょう。

2024年10月18日公開

文:JOB編集部

自分で仕事を探してみる