転職でアピールされる「強み」一覧|弱みを反転する回答方法も解説!

転職でアピールされる「強み」一覧|弱みを反転する回答方法も解説!

多くの企業が選考時に確認するポイントの一つに「求職者が自覚している強み(長所)」があります。
面接官の心の内には、求職者に自分の強みを確認する理由が明確に存在しており、その理由を把握しないまま正直に強みを伝えるだけでは、残念ながら良い結果につながらないおそれがあります。

また、転職を検討している人の中には、そもそも自分の強みといえるものが見つからず、悩んでいる場合もあるかもしれません。

そこでこの記事では、転職でよく用いられる強みの例を一覧形式でご紹介しつつ、自分の強みの見つけ方、アピールするコツ・弱みを反転させて考える回答方法などを解説します。

転職でアピールされる強みの一覧

表現の仕方は求職者によってさまざまではあるものの、一般的に転職でアピールされがちな強みとしては、次のようなものがあげられます。

強みのジャンル 具体例
感情のコントロール ・冷静沈着
・悠然としている(物事に動じず落ち着いている)
・忍耐強い
・ストレス耐性が高い など
コミュニケーション ・柔軟性がある
・感受性が高い
・社交性がある
・協調性がある など
思考面 ・論理的思考力がある
・計画的
・想像力がある
・分析が得意 など
技術面 ・語学力(英語の他の言語も含む)
・専門分野のスキル(各種資格の取得)
・学習能力(新技術のキャッチアップ)
・問題解決能力(実務経験に裏打ちされている) など
性格面 ・周囲を巻き込む力
・場を盛り上げる力
・ポジティブシンキング
・自分で考えて行動できる積極性 など

このように、転職活動でよく言われる(聞かれる)長所に関しては、ある程度分類することが可能です。

自分の長所をうまく言語化できず悩んでいる場合は、このような強みの一覧の中からマッチするものを選び、そこから自分に置き換えて掘り下げて考えてみることをおすすめします。

転職において企業はなぜ面接で強み(長所)を聞くのか

先述した通り、選考においてよくアピールされる強みは、似通っているものです。

同じ人間として社会で生活している以上、アピールできる強みには、どうしても似通った部分が生じてしまうのは致し方ない部分があります。
しかし、そのこと自体は、アピールすることにおいて何ら問題点とはなりません。

以下、なぜ企業が面接において応募者の強み(長所)を確認するのか、主な目的について解説します。

自社が求める人材像にマッチしているか

世の中には様々な企業があり、それぞれに社風や個性が存在します。

自社の雰囲気に馴染めるような強みを持つ人材であれば、採用後に活躍できる可能性は高いかもしれませんが、真逆の強みを持っている人材は反発してしまうおそれがあります。

例えば、個性を尊重する職場と、協調性を重視する職場では、自ずと求められる性格にも違いが生じてきます。
そのような背景から、面接官は応募者の強みを確認することで、自社とのマッチングを把握しようとしています。

自己分析の確度が高いか

面接官は、応募書類に事前に目を通した上で、応募者の自己分析の確度が高いかどうかを面接で確認します。
そのための質問内容の一つが「応募者の自覚している強み」であり、自己分析をどの程度正確に行っているのか、質問を通して確認しようとしています。

例えば、履歴書や職務経歴書を見る限り、コミュニケーション能力が重視される環境で働いていたとは思えない応募者がいたとします。

そのような応募者が、面接でことさらコミュニケーション能力をアピールしている場合、その自己分析に違和感を覚える人がほとんどでしょう。

企業としても、できるだけ新入社員の早期離職は避けたいと考えているため、できる限り自己分析が正確な人材を採用しようと努力します。
求職者がアピールする強みと、面接官が思い描く人物像とのギャップを確認することで、リスクを最小限に抑えようとしているのです。

入社後の成長・進歩が期待できるか

応募者の持つポテンシャルをはかりたいと考えている面接官の場合、強みを確認して「入社後の成長・進歩」が期待できるかどうか把握しようとしているケースが考えられます。

特に、未経験者歓迎をうたっている求人の場合、実務経験はさほど期待できないことから、入社後の成長スピードが早い人材を探したいと考えています。

仮に、応募者の強みが自社で活躍している人材と似ている場合、同様の活躍が期待できると考えるかもしれません。
逆に、予定している配属先で、あまり応募者の強みを活かせないと判断された場合、その点がネックになるおそれがあります。

転職に役立つ強みの見つけ方

面接では、自分が本心から思っている強みをそのまま述べるだけだと、伝わり方・パンチが弱くなる可能性があります。
「転職に役立つ」という観点から強みを見つけるためには、次のような方法によって、面接官にアピールできる強みを探すことが重要です。

自己分析のセオリーを知って実践する

転職活動で役立つ強みを見つけるためには、最初に自己分析を行います。

しかし、一口に自己分析といっても様々な手法があることから、今回は転職に特化した自己分析の方法を以下にまとめました。

手順 詳細
1.過去の経験をまとめる 以下の視点から、過去の職場で経験してきたことをまとめる
・どの会社・職場で働いていたか(Where)
・どんな商品・サービスを提供していたか(What)
・誰と働いていたか(Who)
・経験年数や納期などはどうだったか(When)
・前職以前で目指していたものは何か(Why)
・どのように仕事を進めていたか(How)
2.自分の仕事について書き出す 最初にまとめた経験を軸に、働いていた場面を思い返し、次の要素を書き出していく
・職場で自分に求められていたこと
・職場で身に付けたスキル
・仕事に感じていたやりがい
・楽しかった思い出
・働く中で重要だと感じたこと
3.エピソードを思い出す 手順2で書き出した内容をもとに、具体的なエピソードを思い出し、次のような視点で切り取って考える
・仕事で失敗し、そこから何を学んだか
・既存のやり方を改善し、何らかの成果につなげられたか
・後輩の見本になるような行動を続けてきたか
・周囲をサポートする上で気を付けていたことは何か

上記のステップを踏み、丁寧に自己分析を進めることで、自分が気付けなかった強みに気付けることでしょう。

他の人の意見を聞く(他己分析)

自分が気付けない強みに気付くもう一つの方法は、他の人の意見を聞く(他己分析)ことです。

一人だけでなく、できるだけ多くの人からの意見を求めることで、より客観的・多角的な意見を集められます。
具体的には、自分をよく知る家族や友人のほか、上司・同僚などに協力を求める方法があります。

質問事項としては、次のようなものを用意しておくとよいでしょう。

・私の強み(長所)だと思う点を教えてください
・私の弱み(短所)だと思う点を教えてください
・初めて私と出会ったときの印象(第一印象)について教えてください
・現在の私に対する印象を教えてください
・私と一緒に過ごす中で、特に印象深いと感じたエピソードを教えてください
・私にもっとも向いている仕事があるとしたら、どのようなものか教えてください

色々な人からの回答をまとめたら、次はその内容を自己分析の結果と照らし合わせてみましょう。
双方に共通している点が見つかったら、それは客観的に見ても、自分の強みとしてアピールできるはずです。

プロの視点を取り入れる

よりシビアな目線で自分の強みを確認したい場合、次のような方法を検討してみましょう。

・転職サイトなどで紹介されている「自己分析ツール」を利用する
・転職エージェントに登録して、キャリアアドバイザーにキャリア相談を依頼する

各種転職サイト・性格診断サイトでは、求職者が無料または有料で利用できる自己分析ツールを用意しています。
多くのツールは、所定の質問に回答することで、自分の性格上の特性や強みを把握できる仕組みになっています。

ただし、自己分析ツールは「今自分が考えていること」が結果に反映されるため、必ずしも正しい強みの認識につながるとは限りません。

徹底的に客観的な強みを把握したいのであれば、転職エージェントへの登録を済ませ、専任のキャリアアドバイザーにキャリア相談を依頼してみましょう。

一般的に、転職エージェントと聞くと「相談しても求人紹介がメインになるのではないか」と考えがちですが、実際にはキャリアに関する様々なことを相談できます。
もちろん、転職活動における強みの発掘に関しても、丁寧に相談に乗ってくれることでしょう。

※JOBでは、キャリアコンサルタントとオンライン相談ができるサービスもあります。(無料)悩みや不安がある方は、ぜひご活用ください。

https://job.atimes.co.jp/shizuoka/page/career-consultant

転職で自分の強みをアピールするコツ

転職で自分の強みをアピールする場合、次のようなコツを押さえておくと、面接官に伝わりやすくなります。

結論を先に述べる ・先に「私の強みは○○です」と述べ、その後で詳細を説明する
→面接官は、結論を頭に入れた上で説明を聞けるので理解が早まる
具体的に伝える ・強みの背景・根拠にあたるものをエピソードとして伝える
→シチュエーションを想像できる分、面接官が自社の状況に当てはめやすい
職種・応募企業によって内容や伝え方を変える ・複数の強みが見つかった場合、その中から応募職種にもっとも適したものを選ぶことで、面接官が入社後の活躍を想像しやすくなる
・応募企業が複数ある場合は、それぞれの企業によって、響きやすい強みの伝え方を工夫してみる

結論ありきで強みを説明することにより、面接官の意識を強みに向けたまま説明を続けられるため、自分の言いたいことが伝わりやすくなるはずです。また、単純に強みだけを説明しても効果が薄いため、自己分析で気付いたエピソードの中から、応募先に当てはまるものを選んで伝えましょう。

複数の職種・企業に応募している場合は、同じ強みを使い回すのではなく、応募先の事情を考慮して複数のパターンを想定しておくと安心です。

例えば、アピールする強みとして「沈着冷静」であるとアピールしたい場合は、「何があっても動じない」・「あまり慌てることがない」など、複数のニュアンスを用意しておき、面接官に伝わりやすい表現を工夫したいところです。

強みが見つからない場合は「弱みを反転させて」考える

自己分析や他己分析を続ける中で、なかなか自分が納得できる強みが見つからないと感じたら、逆に「弱み」だと考えている点に注目してみましょう。

面接官によっては、強みだけでなく弱みを聞く人もいることから、念のため弱みをストックしておくことも面接対策として重要です。
ただ、弱みを弱みのまま伝えることは、かえって「努力しない人間なのではないか」という不安を面接官に与えてしまうおそれがあります。
そのため、面接で述べる際は「弱みを反転させて」伝えることを意識しましょう。

弱みを反転させる事例としては、次のようなものがあげられます。

弱み 反転例
一人で抱え込みやすい 責任感が強い
思いついたらすぐ行動する フットワークが軽い
頑固な性格 一度決めたら迷わない
長時間集中できない 様々な方向へ意識を向けられる
優柔不断 情報収集が得意
マイナス思考 慎重な性格
あきらめが早い 気持ちの切り替えが得意

上記のような弱みをコンプレックスに抱えている人は、その弱みの反対側にある強みに目を向け、面接対策を進めていきましょう。

まとめ

転職でアピールされる主な強みのジャンルは、大きく分けて感情のコントロール、コミュニケーション、思考面、技術面、性格面に関する5種類に分類できます。

多くの企業が面接で強みを聞くのは、自社とのマッチング、自己分析の正確性、入社後の成長可能性などを確認することが目的のため、その点を踏まえて面接に適した強みを把握することが大切です。

面接で述べるに値する強みを見つけるには、自己分析や他己分析を行うほか、プロの視点も取り入れるとよいでしょう。
どうしても納得できる強みが見つからない場合は、あえて自分の弱みに目を向け、それを反転させて考えることも検討してみましょう。

2024年9月10日公開

文:JOB編集部

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