転職で避けて通れない「退職願」何をどう書けばいい?

退職願を作るのは、一生に数回あるかないか。人によっては一度も関わることのない書類かもしれません。実際に作成するとなると、なにをどうかけばよいのか。いつ提出すればよいのかとわからないことばかり。退職願のあれこれを、一緒に確認してみましょう。
退職願を突然提出するのはNG! 転職を決断したらまずは相談

「退職」について考えるタイミングは大きく分けて2パターンあります。
1つは転職活動もまだ行っていない、初期段階。もう一つは転職活動を終え、次の会社が決まった段階です。会社を辞めてから転職活動をする人は、前者の段階で退職手続きへ進むことに。
いずれの場合も、急に退職届を文書で手渡す、ということはあまりありません。通常は直属の上司に退職をしたい旨を相談し、幾度かの話し合いを重ね、その中で退職日のタイミングを相談し、決定していきます。
退職日が決定してはじめて、「退職届」の準備を考えればよいでしょう。
退職届・退職願 どっちが正しい?

実際に退職願を作成するにあたり、「退職願?退職届?どっちが正しいの?」と、素朴な疑問を持つ方もいるでしょう。
結論から言うと、どちらでも構いません。ただし、漢字にある通り「退職願」は「お願いします」という意味ですので、「却下される」ということもあり得ます。
一方「退職届」は「退職することを通知します」と一方通行の書類ですので、会社側が受け取った時点で受理されたということに。
却下されると困るという人は、「退職届」としておくほうが無難ですし、「一方的なコミュニケーションだと角が立つな」と思う方は「退職願」にするとよいでしょう。
ちなみに「退職願」は撤回できますが、「退職届」は撤回できませんのでご注意を。
退職願=辞表ではない!

ドラマなどで「辞表」を提出する場面を見ることもありますが、一般社員の場合は辞表を出す必要はありません。「辞表」は必ずしも退職を意味するものではなく、例えば役員が辞表を出し、一般社員として継続するということもあります。
もちろん役職についている人が、その役から降りたいという場合は「辞表」を作成してください。
退職届・退職願に必要な内容とは
退職届・退職願に必要な内容は以下の通りです。
1. 表題 「退職届」か「退職願」
2. 書き出し「私事」
見本の通り、1行目の一番下から書き始めます。
「私事(わたくしごと)で恐縮ですが……」という言い回しは聞いたことがあると思いますが、文書では「しじ」と読ませるのが一般的です。「わたくしごと」と同じで、「個人的なことですが」という意味です。
3. 退職理由
具体的に書く必要はなく、「一身上の都合により」と書きます
4. 退職日
あらかじめ上司などと相談した日付を書き入れます
5. 届け出日
書類作成日や退職日ではなく、「提出する日」を記入します。
6. 部署名・署名
7. 宛先
通常の手紙は宛先を最初に書きますが、退職届では最後に書きます。自分の名前より高い位置にかくことも留意しましょう。
退職届独特の書き方、言い回しもありますので、見本を参考に書き写してください。
社長や人事には転職の旨を伝えて退職願を手渡す

退職届の提出先は会社によって異なります。直属の上司に手渡し、上司が人事部に提出する会社もあれば、正式な書類ということで、本人から直接人事部や社長室に届ける、という会社もあります。自分の会社ではどこに提出すればよいかは、上司や人事部に聞いてみるとよいでしょう。
もし社長へ直々に手渡す場合などは、転職する旨を簡単に伝え、これまでのお礼を述べる機会にするとよいでしょう。
退職願を受け取ってもらえない!そんなときは……
法律では、意思表明をしてから2週間で退職できることになっていますが、実務上では「1か月前」というところが多いようです。退職を認めてもらえない時でも、法律では「退職届」を提出して2週間たてば退職してOK。
終わり良ければすべて良しという言葉もあるように、なるべく穏やかに最後を締めくくりたいものですが、もし退職に際して問題がある場合は、ハローワークなどに相談するのも一つの手です。