忙しい現代社会では、スローライフや整った育児環境を求めて、地方にUIターン転職を検討する人が増えてきています。ふるさと回帰センターのデータによると、UIターンの問い合わせは右肩上がりに急増し、2017年は3万件以上の問い合わせがあったのだとか。


図1参照:ふるさと回帰センター ニュースリリースより(2018/2/28)

一昔前まではUIターンは「定年したら地元に帰る」というイメージが強く、年代的には60代以上が対象でした。しかし以下の調査を見てみると、60代以上はどちらかというと減少傾向で、20代・30代など、若い世代の増加が目立ちます。 


図2参照:ふるさと回帰センター ニュースリリースより(2018/2/28)

どの年代でもUIターンへの憧れがあるようですが、どの年代でUIターンするのがよいかと悩んでいる人もいるのではないでしょうか。総務省の「地方圏への移住等関連資料」を参考に、各年代が移住する理由やメリットを見ながら考えてみましょう。

20代のUIターン転職なら地方でしっかり基礎固めから



20代でのUIターンは、その半数が「出身地に戻りたい」という理由だというデータがあります。大学進学や就職で都会に来たものの、実際に生活してみて「地元のほうが良かった」と気づくケースが多いようです。

卒業後の就職、結婚・子育てなどの節目がきっかけとなり、家族、知人との時間やゆったりした生活を取り戻そうとUIターンを考え始めるのでしょう。

一般的に考えて、20代のキャリアはまだまだこれから。早い段階でUIターンし、そこで着実にキャリアを築けば、将来の可能性も開きやすいと言えます。20代でしっかり実績を残せれば、また都会に出たいと思った時に再チャレンジする時間も残されています。

30代でUIターン転職したいならアピールポイントを明確にして



30代で移住を考える人は転職や結婚・子育てがきっかけと、こちらも20代と同様、人生の転機が多いようです。出身地に戻ってゆったりと子育てをしたい、家族・知人との時間を大切にしたいという理由から、UIターンを検討し始めるというデータがありました。

30代は20代の経験をもとに、責任あるポジションを任される重要な年代です。30代でUIターンをするのであれば、できるだけアピールできる経験を積んでからのほうがよいでしょう。転職活動もマネジメント経験があるかないかで成功率が変わってきます。

40代のUIターン転職は地方での事業継承・第一次産業なども視野に



40代に入ってくると、早期退職や親の介護がきっかけでUIターンを考えはじめるという人が目立ちます。特に女性は「生活環境を良くしたい」と考えるようになるというデータも。

一般に、40代は役職に就いていく世代です。今後役職につかないだろうと判断する場合は、マネジメント経験をもとに地方で転職するのもよいでしょう。

2025年は団塊世代の最も若い人が75歳になる年。地方では後継者がみつからず、事業を閉鎖する会社も後を絶たないことから、2025年問題とも言われています。現在40代の方々なら、都市部での経験をいかして地域でキャリアをつなぎ、ゆくゆくは事業承継をするというキャリアプランも描けるかもしれません。

また、今までのキャリアとは全く変えて、農業や漁業などに携わるという方法もあるでしょう。

50代のUIターン転職は夫婦の生活もみなおして



50代も40代とほぼ同様、早期退職や親の介護が理由でUIターン転職を考え始める方が多いようです。家族がいる人は子育てもひと段落し、夫婦での新たな人生を見直す時期かもしれません。独身の方は親の面倒を見ながらも、自分の老後を考える世代でもあるでしょう。

50代の転職は難しいと言われますが、地域では優秀な人材なら年齢不問という募集もみられます。後継者不足の会社で、経営陣として迎えられるチャンスもあるかもしれません。

定年後の生きがいになるような、いわゆる「ライフワーク」についても考えておく必要があります。十分な年金があればよいですが、定年後も仕事をしなければならないだろうという場合は、少しでも収入につながるようなライフワークを持っておくのもよいことです。

伝統工芸分野などは職人が足りていないと言いますから、まずは趣味から入り、ゆくゆくは職人としての仕事を目指してみるという道もあるかもしれません。

メリット・デメリットはどの年代にもある


転職は早いほうが次の仕事が見つかりやすいということには変わりありませんが、地方ならではの事情により、40代、50代の経験ある人材を求めている企業も増えてきています。

どの年齢でもそれぞれメリット、デメリットがありますが、人生は一度きり。思い立ったが吉日という言葉がある通り、興味がでていたらまずは仕事を探してみるところから始めるとよいでしょう。

参照:2017年の移住相談の傾向、ならびに移住希望地域ランキング - ふるさと回帰センター ニュースリリースより(2018/2/28)

参照:地方圏への移住等関連資料 - 総務省

<ライター>

坂口弥生(さかぐち・やよい)
1週間45000円からできる留学サポートGo Globalを運営。採用・研修から人事制度設計まで、約10年にわたる人事全般のキャリアをもつ。特に大学生やフリーターの方には留学後の就活相談に乗ることも多く、自己分析などのお手伝いも行っている。

1週間からのプチ留学『Go Global』
『Go Global』公式Facebook

マルタの総合情報サイト 『all about Malta』
『all about Malta』公式Facebook



関連するワード