静岡県浜松市に在住の鈴木さんは、現在29歳。

学生時代を滋賀で過ごし、就職先は東京で、ソフトウェア開発の職に就いていました。
その後webデザイナーに転向し、２度の転職を経てキャリアを積まれました。

2018年10月より現在は、浜松市にあるwebサービスを提供する「オープンスマイル」社で、webデザイナーとして活躍されています。

東京でキャリアを積んで来た鈴木さんが、地元・静岡へのUターン転職を決意された経緯や、現在のご様子、今後の目標についてお話を伺って来ました。

自分が何を求めているのか、追求した先の“転職”という選択

――鈴木さんは今年の10月に浜松に戻って来られたようですが、現在の生活はいかがですか？

とても快適です。満員電車や都会の喧騒から解放されたことで毎日の生活に余裕が出てきました。勝手知ったる浜松市、生まれ育った土地ということもあり、楽しく過ごせています。

――東京の生活と浜松の生活、だいぶ違いがあるかと思います。そもそも転職を考えられたきっかけはなんですか？

きっかけは、色々と言えば色々ですが、気持ちのゆとりを求めていたことが大きかったかなと思います。

――気持ちのゆとり、ですか？

はい、大学卒業後はまだ若く体力がありました。これから頑張ろう、という気力に溢れていたんですよね。でもこの年齢になってふと立ち止まった時に、もう少し気持ちに余裕を持って生活がしたいと思い始めました。

自然があって人が温かい、地元静岡に戻ろうと決意してからは早かったですね。

――今はリラックスして毎日を過ごされているんですね。

転職を経て2ヶ月が経過するところですが、会社や人に恵まれて、環境的にも“こんなに穏やかで良いのかな？”と思うような日々を送れています。地元の友人もみんな歓迎モード。休日は一緒にイベントに行くなど、満喫しています。

休日の一コマ（浜松城公園でのコーヒーフェスの様子）：鈴木さん提供

――東京が恋しくなったりはしませんか？

実は昨年の4月から、東京にある社会人向けのサービス・UXデザイン学校に月に1度通っています。やはり職業柄、流行に疎くなってはいけないという気持ちが強いので、肌感覚で感じたくて、自発的に通い始めました。授業は来年春までの1年間ですが、東京は新幹線に乗ってしまえば本当に近いので、良い気分転換にもなっています。

――確かに、浜松市はアクセス面で恵まれていそうですね。

そうなんです。浜松からは東京だけじゃなくて名古屋や大阪へもアクセスがしやすいんですよ。静岡県にゆかりがない方が引っ越してきても、大丈夫だと思います！

エンジニアから、webデザイナーへ。場所に縛られない仕事を。

――鈴木さんは元々エンジニアをされていて、現在はwebデザイナーをされているんですね。同じIT業界とは言え畑が違う印象を受けます。

仕事の経緯に関してですが、大学卒業後は4年間システムエンジニアとして、業務システムの開発をしていました。画面の設計やプログラミングなどですね。ですがユーザビリティは後回しにされがちな状況に何度か遭遇し、葛藤を抱いていました。当時、お客様の声を大事にするような仕事がしたいなと思ったことが、エンジニアからwebデザイン職への転向の大きなきっかけです。

――具体的にどのようにしてwebデザイナーに転向されたんですか？

数年前、仕事終わりと・土日と併せて専門学校に通い、webデザインの勉強をしました。

――webデザイナーとしてのキャリアは転職をして積まれたんですね。

そうですね、webデザイン職として2社の転職を経験しましたが、企業のwebサイト構築を主に行いました。やはり実績が求められる職種なので、まずは色々経験をして、キャリアを積もうと考えていました。

その中で、近年多くの会社が取り入れているリモートワークをみて、東京以外の土地でも働くことは可能なのではと思い始めたんです。

――東京にいなくてもできるのでは？　とお考えになられたんですね。

はい。IT業界は東京じゃないと！　と漠然と思っていた私にとっての転機でしたね。自宅で作業が出来てビデオ通話もあるので、場所にとらわれる必要はないのかなと思い始めました。

――業界的に、東京から浜松への転職は大きな勇気がいたのではないかと思いますが、いかがでしたか？

むしろ前向きな気持ちがありました。地方の方が、伸びしろという点で今後に面白いことができると思うんですよ。人材・会社不足のところで、まだできること・新しいことができるのではないか？　と考えていますね。

地域貢献や社会貢献のできる会社や活動に参加していく、そういったチャンスが多いので、満足しています。

1年間を掛けての転職活動。決め手は「ありのまま」を教えてくれたところ

――浜松での充実度が伺えました。JOB転職エージェントの利用を開始されたのはいつ頃ですか？

Uターン転職自体を考え始めてすぐにJOB転職エージェントに登録をしましたが、それはもう１年以上前のお話です。仕事のペースに合わせて相談をしていて、5月ぐらいから転職に向けて動き始めて、２ヶ月間で転職活動を終えました。スピード感のある流れでしたね。

――業界的に、浜松市で適した会社を探すのは難しかったのではないですか？

そうですね、そもそも地元で就職活動というのは、情報を得るのが一番難しいことでした。
ですが担当コンサルタントの藤原さんに、やりたいことがまさしくマッチした現職場を紹介していただけて、スムーズに対応してくれたことや親身に相談に乗ってくれたことが良い結果に繋がったのかなと思います。

相談も、電話だったり、場所なども適宜変更させていただくなど、フレキシブルな対応をしてもらえて感謝しています。

――転職活動では他社も受けられていたんですか？

いいえ、今働いている「オープンスマイル」一社だけですね。

――一社だけ？　とは大胆ですね、決め手はなんだったのでしょうか？

面接時に感じたアットホームな雰囲気や人柄の良さで、入社を決めました。入社後の今も風通しの良い環境で仕事に取り組めています。

――人が良い、ということは会社の雰囲気も良いんでしょうね。

今の職場は２０代前半のスタッフも多いのですが、みんな和気あいあいとしていますね。評価制度もしっかりとしていて、雰囲気がすごく良いです。

――では事前の情報との乖離もあまりなかったですか？

これが、驚くほどになかったんです。結果的に、本当に恵まれた職場に巡り会えたと思います。

開放的な職場で、チームの一員として目標を立てる

――では、現在されているお仕事の内容を教えてください。

今は開発チームに所属しており、メイン業務はデザイナーとしてページデザインをしています。制作会社であればディレクターがするような、企画段階から携わらせてもらっていますね。風通しの良い雰囲気の中、チームで一つのものを作り上げていく感覚です。webサイトのための改善提案をしたり、全てにおいてチームであることを実感しながら働いています。

――勝手なイメージですが、デザイン業務には孤独な作業が多いかと思っていました。

そんなことは無いですよ。実際にコミュニケーションがとても重要な職場です。デザイナーであっても、管理ツールなどの数字の共有もしますし、お金の管理は基本的に営業がしますが、報告もマメにもらえるので多方面にわたり関係を持てていますね。

――意外な携わり方でした！　幅広い役割を担われているんですね。

そうですね、前職では分業されていて、その分野だけに特化していた業務を狭く深く行っていました。今は、デザインがメインですが、幅広く役割があります。

私が目指してきた “サービスを考える”という部分もやらせていただけているので、とてもやりがいを感じています。

ブランド価値の向上を目指して、浜松から全国へ

――鈴木さんにとって、今の仕事でのやりがいはなんですか？

簡潔に言うと、お客様の反応がダイレクトにわかることがとても嬉しいです。自社サービスのため、試行錯誤しつつ実行したことがすぐに結果につながると言いますか、目に見えてわかるんですよね。早く自分も核に入り、やってみたいなと思います。

――良い面で驚きの内容の連続ですね。

そうですね、それから社に関しては、何よりも“面倒見が良い”の一言に尽きる気がします。OJT制度もあるし、研修も受けることができるんです。中途採用なのに研修制度が充実していて、こんなに恵まれて良いのかな？　と思うこともあります。

――それでは、最後に今後の目標などを教えてください。

仕事面は、自社サービスの”ワラウ”（ポイントサイト）のブランド価値を高めていきたいと思っています。静岡のサービスとしての認知度を高めて、ブランドとして確立をさせていきたいなと思います。

個人的に目指していきたいのは、UXデザイナー（UXはuser experienceの略称）。サービスをどうしたら使いやすくなるか提案し、試して改善していく、といった上流部分でサービスを考えるデザイナーを目指します。

――努力家の鈴木さん、これからは浜松から最先端の発信を目指されるんですね。

はい！　今後も浜松で頑張っていきたいと思います。大好きな静岡を、盛り上げていきたいですね。

ネット業界で従事する職によっては、場所に捉われなくてもできると断言された鈴木さん。時折見せていただいた笑顔がとても印象的でした。地元・浜松から全国を見据え、仕事や勉学に励む鈴木さんが描くこれからが、とても楽しみです。

取材・文：kajo