「産業のデパート」として生産活動を発展させてきた静岡県。県内には数多くの製造工場が集結し、プラモデルを始めとした製造物は海外へも多く輸出されています。

そんな「ものづくり県」ならではの静岡では、製造系の求人が多く見受けられます。静岡で転職活動をしたい方、静岡でのUIターンを希望している方に向けて、静岡県の製造業の特色をご紹介しましょう。

製造品出荷額等が全国上位を誇る静岡




静岡県は第二次世界大戦前から地場産業を中心に生産活動を展開してきました。戦後ますます産業を発展させ、東名高速道路開通以降は東京や大阪に本社を持つ工場が静岡に多く進出。

東京と大阪の中間というアクセスの利便性、広い土地と豊かな自然に恵まれた立地条件を活かしたことで、現在では製造品出荷額等は全国上位を占めています。

プラモデル、ピアノなどの楽器、輸送用の機械器具などは全国トップクラスのシェアを、飲料・たばこ・ 飼料、木材・木製品、パルプ・紙・紙加工品の出荷額は全国第1位を誇ります。

参照:静岡県の産業・金融面の概要

静岡県の主要な製造業と求人




ピアノ、楽器
ヤマハ株式会社の創業者、山葉寅楠(やまはとらくす)氏がピアノ作りを浜松で始めたことをきっかけに、静岡県では楽器産業が盛んになりました。総務省・経済産業省の「平成28年経済センサス活動調査品目編」の調査によると静岡県ではピアノ生産工場の出荷量が全国の100%を占めています。ピアノの輸出も数量、金額ともに全国一位です。

参照:静岡県公式ホームページ(ピアノの出荷量、出荷額日本一)

二輪自動車・原動機付自転車
静岡県はオートバイ産業の地としても知られています。平成29年度時点で、静岡県の二輪自動車、原動機付自転車の輸出量、輸出額はともに日本一です。浜松地域には多くの部品製造会社があり、二輪・四輪部品の仕分けや梱包、出荷作業などの求人ならスキル不要で未経験者も応募が可能です。

参照:静岡県公式ホームページ(二輪自動車・原動機付自転車の輸出日本一)

紙、パルプ
静岡県は全国有数の紙産地であり、富士市周辺には紙、パルプ工場が数多く集積しています。パルプの輸入量、輸入額はトップレベルで、特にトイレットペーパー、ティッシュなどの衛生用紙は国内屈指のシェアを誇ります。富士市の統一ブランド製品である「ふじのかみ」をトイレットペーパーとして製品化するなど、紙のリサイクルシステムも積極的に行っています。

参照:静岡県公式ホームページ(パルプの輸入量、輸入額日本一)

静岡県の区域別産業の特色




静岡県は富士川と大井川を堺に「東部」「中部」「西部」に区分され、地域ごとに独自の風土があるため発展している製造物が異なります。それぞれの地域の特性を知った上でUIターン先を検討すれば、転職活動もスムーズです。3つの地域それぞれの産業の特色を紹介します。

東部
静岡県東部の御殿場、裾野、三島地域では、豊富な水源が工場の動力源となり大手メーカーの工場が立ち並んでいます。富士地域では製紙・化学工業が発達しており、パルプ・紙・紙加工品の出荷額が全国一。また医薬品や医療機器の出荷額も全国トップクラスを誇ります。

中部
中部地域には県下最大の国際物流港である清水港、かつおやまぐろの水揚げが盛んな焼津市の焼津港があり、水産加工業が発展しています。しらすや桜えびなどが採れる駿河湾もあることから食品加工業が多いことも特徴です。

静岡市では家具、雛具等の伝統産業も発展しています。牧之原市はお茶の特産地として知られ、中部地域ではお茶製造の求人も多く見受けられます。

西部
浜松市、掛川市、磐田市がある静岡県西部地域は第一次・第二次産業の就業者数が政令指定都市でトップを誇ります。浜松市内には約3000もの生産工場があり、特に二輪自動車、原動機付自転車の工場が多くの割合を占めています。楽器産業が発達しており、ピアノ生産工場の出荷量が全国の100%を占めていることから、楽器製造の求人が多いことが特徴です。

まとめ


パルプや二輪自動車、プラモデルなどの玩具や楽器など、多くの製造物が作られている静岡県には多くの製造業の求人がありますが、地域によって主要な製品は異なります。すでに転職先の希望職種が決まっている方は、希望する製造業が集中している地域を絞って求人検索をするとよりスムーズに転職活動が行えますので、ぜひ試してみてください。



※掲載している施策は、令和元年9月30日現在の情報です。
 最新の情報は、各市町村までお問合せいただけますようお願いいたします。

<ライター>

西山ココ
エステティシャンとして国内外で経験を積み、出産をきっかけにフリーライターに転向。自然豊かな場所で子育てをするため、静岡に移住。女性向け恋愛コラムや子育て、静岡情報を中心に執筆。



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