第二新卒や既卒の早期離職の退職理由はどう答えたらいい?
監修:転職コンサルタント 平山雄一
「こんな仕事だとは思っていなかった」「就業環境が想像していたのと違う」「人間関係がつらい」など、退職理由は人それぞれ。ただ第二新卒や既卒の方の場合、多くが新卒入社からの早期離職となるため、なんらかのミスマッチが原因であることが多いと思われます。そしてそれは必ずしも前向きではない理由であることも……。とはいえ、転職の面接の際、正直な転職理由を伝えてしまうとネガティブにとらえられかねません。そこで第二新卒や既卒の方の退職理由をどのように伝えるかをご紹介します。
正直に答えても大丈夫な退職理由
退職理由は人それぞれですが、たとえ早期離職でも正直に答えても問題ない理由がいくつかあります。
たとえば、家庭の事情によるUターンや育児・介護による離職、会社の倒産などです。
また契約期間の満了もそのまま伝えて大丈夫です。
ただし、いくら正直に伝えても構わないといっても、前職の悪口や不平不満を口にするのはやめましょう。面接官にネガティブな印象を与えかねません。
早期離職をどのように伝えるか、カギは自己分析
就職して1~2年ほどの短期間での離職となると、採用担当者はあなたに対して、「見切りが早く自社に入社しても長続きしないのではないか」と思いがちです。そのため、短い就業期間での離職を決意した理由を必ず問われますので、事前に返答内容を準備しておくことが必要です。
採用担当者に納得してもらえる退職理由を回答ができればいいのですが、多くの場合、それは難しいといえます。そこでポジティブな印象を与えられる回答のカギが「自己分析」となります。
就職活動の時の企業選択理由と実際の業務内容にどんなギャップがあったのか。自分はどんな仕事にやりがいを感じ、自分の強みをどのように生かしていきたいのか。それは前職ではどのような理由で叶えられず、転職を決意したのかを、丁寧に順序立てて答えられるようにしましょう。
また、あなたの仕事に対する価値観や成長したい方向性と応募先企業の方向性が、どのようにリンクしているのかも退職理由と関連付けて答えられるようにしておくといいですよ。
【退職理由の例】
・安定している社風に惹かれて入社したが、成長実感がない。もっと仕事の幅を広げて成長できる環境にチャレンジしたい。
・営業と内勤が半々くらいと聞いたが、実際は内勤業務が8割を超えている。自分としては得意な対人折衝を生かせる営業職で今後のキャリアを築いていきたいため、転職を決意した。
・現在はルート営業だが、もっと新規開拓もできる環境で自分の営業力を磨きたい。
早期離職というネガティブな経験をどのようにキャリアにいかすか
今回は残念ながら早期離職となってしまいましたが、転職先ではしっかり腰を据えて長く働きたい旨を伝えるようにしましょう。その際、志望動機とリンクして採用担当者に伝えられるとポジティブな印象を与えることができると思います。
たとえば、仕事内容にミスマッチがあった場合は、「自分の特性や希望を踏まえた上で新しい業務ではこのようなことがしたい」、「今まで経験を元にこんなことにチャレンジしてみたい」などです。
また早期離職とはいえ、そこから得られた経験は今後のあなたのキャリアで何かしらの糧になるはずです。転職を決意した経験から何を得たのか、入社後にどのように行動するのかも整理しておきましょう。
退職理由はネガティブなことが多いので、見つくろったり隠そうとしてしまいがちですが、志望理由と合わせることで、ポジティブに伝えることが可能になります。なるべく前の職場の不平不満や悪口は口にせず、ポジティブで今後のキャリアビジョンに結び付けた理由を伝えられるようにしてください。
また退職理由をうまくまとめることが難しい場合は、転職エージェントに相談してみるのもいいでしょう。様々なケースやあなたの志向に合わせた伝え方をアドバイスしてもらえるはずです。
転職はゴールではなく入社した後が大切
退職理由はどうであれ、転職は入社がゴールではありません。20代前半で転職すると、そのあとの長い期間を転職先で過ごすことになります。経験職での転職でも、未経験職への転職でも、転職先でアンマッチを起こさないように、事前に調査してイメージしておくようにしましょう。その準備ができていれば、早期離職のネガティブな印象をポジティブな成長意欲や順応意欲で覆すことができるはずです。