みなさんが友だちに「手紙」を書いたのは、最近ではいつになりますか? メールやLINEなら毎日何回もやりとりしていらっしゃることでしょう。今日の打ち合わせはWEB会議で資料もPDFファイルをスマホ片手にスクロール……最近はそんな仕事スタイルも珍しいことではなくなってきたかもしれません。

学校の連絡事項も一斉メールで配信されることが多くなったし、ネットで見るから新聞は取らない、という家庭も増えてきているようです。しかし! 紙はまだまだわたしたちの生活にはなくてはならないもの。紙と静岡、紙と密着するわたしたちの日常生活を見つめ直してみましょう。

わたしたちを取り巻く「紙」



ティッシュ、トイレットペーパー、キッチンペーパー、ペーパータオル、障子、ふすま、ちょうちん、傘、のし紙、折り紙、紙風船・・・日常生活から年中行事、遊びまで、わたしたちの周りには紙がいっぱい。静岡県で近代の洋紙生産技術が確立されたのは120年以上も前のこと。1889年に現在の王子製紙の前身が周智郡気多村(現浜松市天竜区)でパルプ設備を稼動したのが始まりです。

参照:富士市公式ホームページ 製紙業の歴史

静岡県で製紙業が発展した背景には、富士山麓から湧き出る、混じりけのない豊富な湧水がありました。紙を製造する工程には大量の水を必要とするのです。2017年現在も、全国の主要87製紙工場のうち最多の9の工場が静岡県内に集中しています。

参照:日本製紙連合会 製紙工場所在地一覧

生活の質向上に貢献する紙製品の開発



情報に関する部分は、かなりペーパーレス化が進んでいるかもしれません。しかし、核家族化や高齢化を背景に、紙を素材にした使い捨ての日用品が多くの生活用品分野で開発されてきています。

以前から利用されているトイレットペーパーやティッシュペーパーは使い捨て日用品の代表格ですが、その他にも、使い捨て容器、おしぼり、タオル、紙おむつ、医療用下着など、紙を素材にした、高機能の製品が続々と登場してきています。これらを含めた、衛生用紙の生産で、静岡県は全国屈指のシェアを誇っています。

参照:富士市公式ホームページ 地場産業(パルプ・紙産業)の概要(平成28年6月)

紙のことをもっと知りたい! 工場見学と製紙会社主催のイベント



また、紙を使った作品で奇抜さや芸術性を競うコンテスト「紙わざ大賞」(主催:特種東海製紙株式会社/本店島田市)には、紙で出来ているとは信じられない、制作者の技術と意匠を凝らした作品群がどっと集まります。

「富士山紙フェア」は静岡県や富士市、商工会議所で構成される実行委員会主催の、その名の通り紙を前面に出したイベント。紙にまつわる展示のほか、各種物産展や飲食ブースもあるので、家族で一日楽しめそうです。

紙の可能性は静岡から



製紙産業は、わたしたちの生活をより暮らしやすくする可能性を持っています。しかし、いくら便利で衛生的だからといって、使い捨てばかりを求めていては、快適な自然環境を維持することはできません。静岡県で特に製紙業のさかんな富士市は、日本で最初に再生紙生産に取り組んだ地域と言われています。

参照:富士市公式ホームページ 製紙業の歴史

静岡県に集中する多くの製紙工場の中には、イデシギョー株式会社東海製紙工業株式会社丸富製紙など工場見学を受け入れている企業もたくさん。

回収された古紙がトイレットペーパー等にリサイクルされる過程などを間近に見ることができるので、家族やお友達で資源の大切さを学ぶことができます。静岡県には、新製品開発、リサイクル技術開発の両方で今後も製紙業界のトップであり続けてほしいですね!


※掲載している施策は、令和元年9月30日現在の情報です。
 最新の情報は、各市町村までお問合せいただけますようお願いいたします。

<ライター>

鈴木潤子
三度のゴハンより音楽が好き。僅差でゴハンももちろん大好き! 将来自分のラジオ番組を持ちたいなーとあちこち根回し中です。ワールドワイドに突っ込んでいきます! よろしくお願いします!



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