2016年に話題となった「保育園落ちた」のブログ。そして一気に注目度の高まった「待機児童問題」は、今もまだ解決の糸口がみつかっていません。

東京や横浜など、都会に比べると少ないとは思いますが、静岡県にも待機児童は存在します。待機児童の数が一番多いのは、浜松市で平成29年4月の時点で168人の待機児童がいます。次いで静岡市の40人、富士市は37人の待機児童がおり、県内で3番目に多い数となっています。

当然、静岡県内の各市区町村では待機児童問題に取り組んでいます。その中でも富士市は積極的に動いており、当初の計画から2年前倒して待機児童問題の解決に着手しました。

待機児童ゼロ宣言をする、富士市の主な待機児童対策をご紹介します。

富士市は待機児童ゼロを目指します!



「子供を保育園に通わせたいけれど入園できない」そんな悩みを抱えている世帯が、全国にはたくさんあります。

富士市にも待機児童がいるということで、働きたくても働けない、育児休暇を延長しているお母さんがいるということです。

そのような問題を解決するために、富士市では平成29年に当初の予定よりも前倒しで待機児童ゼロを目指すことになりました。

富士市が平成27年から取り組んできた「待機児童対策」



もともと富士市では、平成27年度から待機児童対策に取り組んできていました。その対策は2つ挙げられます。

1つが、新施設の開園やそれに伴う事業者への支援です。 富士市では、保育園は全部で33園存在しており(2018年3月28日現在)、県内でも保育園の多い市だと思います。

しかし、それでも待機児童が多かったことから、新たに「認定こども園」を8園開園するなど、計17箇所の保育施設を新たに増やしました。認定こども園ができたことで、もともと3歳からは幼稚園に入れたいと思っていた家庭の待機児童問題が一気に解決されました。

もう1つは、増えた保育施設で働く保育士が不足していたため、資格は持っているけれど働いていない保育士や幼稚園教諭の就職相談や就労支援です。

これまで様々な事情で、保育園で働きたいけれど働けない人など20名以上の就労支援を行なっており、市としてバックアップする体制を整えてきたのです。

本来ならば、このような取り組みを後2年行い、しっかりとした土台ができた段階で待機児童問題を深掘りする予定だった富士市ですが、待機児童が増えたことや2年間で一定の成果が見込めたことから、待機児童問題の新たなる施策の導入を早めたのです。

平成29年に打ち出した新たな2つの「待機児童対策」をご紹介



そして富士市では、平成29年度より画期的な2つの待機児童対策の導入をスタートしました。その対策をご紹介します。

1.県内初の試み!幼稚園内で小規模保育事業所を開所
県内初の試みとして注目されているのが、公立幼稚園の空き部屋を小規模保育事業所として活用するという方法です。

富士市の中でも、新富士駅に近いエリアの保育園というのは入園の倍率が非常に高いそうです。新幹線で他県へ通勤している方が入園を希望することから、競争が激しくなっているのです。

保育の対象は1歳〜年少未満の子供となっており、小規模保育所ではありますが、公立の保育園の保育目標に準じた保育を行ってくれる施設です。現在は試験的に1箇所開園されています。2018年4月には、もう1園開所される予定です。

2.企業主導型保育事業所の開設支援!
これまでは認可保育園や認定こども園を増やしていた富士市ですが、企業主導型保育事業所の開設の支援を行うことを決定しました。国の助成金に加え、市からも助成金を出すことで少しでも待機児童を減らすことに注力しています。

企業主導型保育事業所は、従業員の子供を受け入れる従業員枠とそれ以外の子供を受け入れる地域枠が設けられているので、待機児童対策としては、有効な手段だと言えるでしょう。
すでに29年度に企業主導型保育事業所が新しく開設されました

認可外保育園は保育料が高い傾向にありますが、収入に問わず一律となり、認可保育園にはない園内ウェブカメラの設置など、独自の保育スタイルを提供してくれています。

まとめ


待機児童ゼロを目指す富士市が掲げた、待機児童対策についてご紹介しました。 待機児童問題というのは、国だけではなく各自治体が協力して行う必要のある問題だと思います。 富士市も良い取り組みはどんどん取り入れつつ、発信していき、待機児童ゼロを実現してほしいところです。

参照:富士市公式ホームページ

※掲載している施策は、令和元年9月30日現在の情報です。
 最新の情報は、各市町村までお問合せいただけますようお願いいたします。

<ライター>

とってぃ
2016に誕生した息子を溺愛するイクメンライター。平日昼間はサラリーマン、早朝はライター兼ブロガー兼コンサルタントとして活動中。静岡東部のパパ目線での子育て情報を中心に執筆。



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